楽曲はスティーリー・ダンの変態的コード進行から、前作でも見られたレゲエのようなシンプルなノリの曲に興味が移っているようだ。それでもフェイゲン節は健在で、声の調子が良かったらと思わせるメロディの佳曲が揃っている。
ひねくれ度が薄まり開放的になった曲に合わせて、演奏もリラックス感あるものだ。前作のように人間がマシーン化してるような超精確な演奏は息が詰まるので、この作品のほうが好きだし、良く聴いている。ウォルター・ベッカーのレイドバック感ある演奏も全体の雰囲気に寄与している。スタジオミュージシャンのビッグネームに頼らなくなって、彼の出番が大いに増えたのも、ベッカーファンとしては嬉しい。