完全な失敗作
★★☆☆☆
Roger Ebertが高く評価していたこともあり、悪評を重々承知したうえで、鑑賞してみたのだが、正直なところ、これは完全な失敗作だと思う。
ハリー・ポッター・シリーズのヒットを受けて、同じファンタジー作品で一儲けを狙ったのだろうが、比較することができないほどにお粗末な内容の作品である。
もっとも深刻な問題は、作品が現実世界と非常に異なる世界で展開するものであるにも関らず、聴衆をそこに導いていくための工夫が全くなされていないということである。
そのために、聴衆は、冒頭から置去りにされたまま、目のまえに映しだされる奇妙な異世界を所在無く見詰めることができるだけなのである。
そこに展開される物語にまず聴衆を感情的に参加させるということは、どのような物語においても、制作者が果たさなければならない必須の責任であると思うのだが、この作品においては、正にその必須条件が欠如しているのである。
ただ、物語の内容に目をむけると、そこには、それなりに興味深いアイデアが散りばめられているのも事実である。
人間が成長していくとは、どういうことなのか?
そこで、われわれは何を失うことになるのか?
そして、われわれが失ってはいけないものがあるとすれば、それは何なのか?
こうした普遍的な主題について、独自の洞察と主張をもつ作品であることは確かである。
しかし、残念なことは、こうした主題を探求するうえで、物語の視点があまりにも短絡的な「反権威主義」な発想に絡めとられていることで、折角、興味深い問題をとりあげていながら、そこには、これまでに無数の三流作家がくりかえしてきた「回顧主義的ロマン主義」(こどもの純粋さを過度に美化する発想)が何の創意工夫もなく、開陳されているに過ぎないのである。
これでは、聴衆の共感を得ることができないのも当然のことであろう。
今、脚光をあびているAlexandre Desplatの音楽も凡庸なもので、正直なところ、評価するべきところを見出すのがむずかしい作品である。
難しい
★★★★☆
評価は難しいです。
先入観なく見た方が良いと思う。
映画館で見た時は前編だとは知らず、見終わった時は不完全燃焼だったけど、その後原作を読んで物語の複雑さを知りました。
映画そのものは私は、原作を読みたいという気持ちになったので評価は☆4つにします。
この話を理解するには、先に映画で大まかに内容を理解してから、原作の方でじっくり読めば舞台や人物は映画の光景で容易に思い浮かぶので良いと思います。
子どもには見せてはいけない・・・
★☆☆☆☆
後半の戦闘シーンで沢山の悪人が残酷に殺されていくが、しつこい位に時間が長い。
子どもが見ると、「悪い人は殺してもいいんだ」と、深層心理に刷り込まれてしまいそうです。
人間の心の成長がテーマでは?
★★★☆☆
原作を読んでいないので、わからないが、
これはおそらく人間の心の成長をテーマにした物語だと思う。
理由は、人が皆、ダイモンという分身の様な動物を連れていること。
象徴的に色々な動物として描かれているところが面白い。
実際は自分の心の中にある部分で、共に手を携えて成長していくものではないだろうか。
だから"切り離し"などということが起これば、かたよった人間になってしまう筈。
ただ、油断すれば、その様なことも起こりえるし、
そうならないよう試練を乗り越えていくのだと思う。
ストーリーがわかりにくいのも、人間の心の中は絵に描いたように、理解することができず、
突拍子もないことが起こり得る、ということだと思う。
物語が散漫
★★☆☆☆
序盤で示されたシリーズを通しての目的
それに向かい進んで行く主人公ライラに、立ち塞がる弊害の数々
…という訳でなく、目的があるのに寄り道ばかりしている印象がありました。
いつの間にか北極へ向かう目的をすり替えられて、それが本題になってしまっていた感じです。
何の伏線もなく唐突にキャラクターが登場し、唐突に世界の説明を始める
そういった展開の多い作品でした。
リーグオブレジェンド、ゴーストライダー等と似ているかもしれません。
原作は読んでいないので、今回登場した人物達が後々どんな活躍をするのかは判らないのですが
映画としてシリーズ化するのであれば、
魔女や気球乗りの登場は後のシリーズの登場でも良かったのでは…?
と思える程に蛇足で、主人公のピンチを救うだけの便利人物になってしまい、
クマと敵側の接点も皆無なので、非常に物語が散漫としてしまっています。
作品の基本的な説明と研究施設絡み、そしてライラの旅立ち
それ位の内容の1作目で、充分だったのではないかな…と思います。
ニューラインシネマ的には、鎧熊に乗って駆ける少女
…というイメージを売りにしたかったかと思いますが。