ゴーギャンの絵画と人生を手軽に分かりやすく紹介
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ゴーギャンの若い頃から晩年の作品まで、代表作のほとんどが掲載されていますので、その画業の全てと人生を的確につかむことができます。
19世紀後半のヨーロッパにおいて日本の文物を描くことがブームになりました。ゴーギャンもその一人で「日本の浮世絵から単純な形態と平坦な色彩を吸収した」と24頁に書かれています。彼の代表作群であるタヒチシリーズの作品を見てもまさしくそうで、この平板ともいえる作風の形成に大きな影響を与えたのは十分理解できる説明でした。
遺書として描かれた大作「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」は、折り込みの体裁で所収されていました。1897年、自らの芸術の集大成として制作された49歳の時のこの作品には、彼の人生、画業などの思いが詰まっています。この制作の後、ヒ素にて自殺未遂を図るわけで、エポックメイキング的な作品だと言えるでしょう。