裏付けのない記述や噂をもとにした議論
★★☆☆☆
11 の章からなる本だが,各章は独立の論文であり,タイトルの「民営化される戦争」に関する章はおおくはない.議論はあまりていねいとはいえず,裏付けが書かれていない記述もおおい.MPRI という戦争請負企業に関しては,クロアチアでセルビア人を 10 万人も殺害してしまったという噂も書かれている.「噂」と書いてあるからよいようなものだが,論旨が噂に影響されるのはどうかとおもう.
問題意識がいまいち
★★★☆☆
本書はいろいろ書いてあるので、とりあえず戦争の民営化の部分について。
とにかく一次情報が少ない。ネットからの引用がやたら多い。どの程度正確なのかわからないのと、政官財の戦争民営化シンジゲートの存在が強調されている。ちょっと陰謀論的なにおいがするといったら失礼だろうか。
著者がいうように戦争の民営化は重大な問題である。重大な問題なのだがなぜ重大なのかが本書ではいまいちわからない。たとえば著者は戦争の民営化は新自由主義の最たるものだというが、僕は新自由主義に多大な関心があるが、本当にそうなのかなともおもう。総力戦型の現代戦争からコソボ型の戦争へのトランスフォーメーションの問題は、新自由主義だけではなく冷戦の崩壊や社会意識の変化など複合要因から考えないと解けないからだ。その辺、著者が「警戒」するのはわかるが、問題意識の所在がいまいちわからなかった。
民営化する戦争と謳っているが…
★★☆☆☆
全11章のうち、戦争の民営化について書かれた章は2章だ
けという、驚きの構成。タイトルで選んだため、その内容との
乖離にはがっかりした。
その他の章で扱っている内容は、ウォルマートの賃金問題
や、アフガニスタンのドル化案など、幅広い。この本の主題
がどこにあるのか、最期までわからなかった。
内容は専門的であり、参考文献や註は充実している。目当て
の論文があれば、参考になることは間違いないだろう。しかし、
興味本位で読むにはハードルがかなり高い一冊である。
一次情報が少ない
★★☆☆☆
引用や修飾句が多く、読み応えがなかったように感じます。P.W.シンガーの「戦争請負会社」と比べると、本の厚みはいい勝負だが、密度は半分もないかもしれません。
多国籍企業のグローバリゼーションに関する話題を多く扱っており、内容と書名がずれている気がします。おそらく出版社の方針なのでしょうが・・・
戦争はビジネス、政治もビジネス
★★★★★
あのベクテル社は非上場会社だった!それだけでもう十分過ぎるインパクト!!米国かぶれの経営学者が唱える「株主至上主義」、「コーポレートガバナンス」論はまやかしに過ぎない!!戦争をビジネスにする米国、そして、政治もビジネスになっている米国、そして、両者に複雑に絡むコーポレートアメリカは非上場とは・・・「米国式経営」に踊らされる日本企業の先行きが心配になる一冊。むしろ企業経営者にお勧めかもしれない。