湘南ダディは読みました。
★★☆☆☆
なにしろロビンの物語はイギリスでは13世紀の頃から語り始められて、19世紀のころ定着したといわれています。彼が実在の人物であったかどうか、十字軍の遠征に参加したかどうか等のことを研究している機関位でかならずしも子供向け冒険譚ではありません。この原書房版サトクリフの作品では比較的に大人でも読める作品になっており、リトルジョンは言うまでもなく、粉屋のマッチ、修道士タック坊主、ロビンの恋人マリアン、道化のピータキンなどシャーウッドの仲間達が全員登場してくれます。
さてロビンは様々な大活躍をして、最後は信じていた尼僧に裏切られ塔の中で死ぬのですが、消えていく力を振り絞り鹿笛を吹くと、その弱い笛音にリトルジョンだけが気付き駆けつけてきてくれます。でももう間に合いません。「もう一度シャーウッドの森を見せてくれ」ロビンはジョンに頼みます。そして長年の盟友ジョンの腕の中に抱えられ、様々な思い出の多き緑の森を懐かしそうに眺めた後、残る力で最後の一矢を放ち、「あの矢の墜ちたところへ・・・いいかジョン。 俺の弓も一緒に・・・」といって息絶えます。
少年の頃、大好きで何度も繰り返し読んだ本ではこの後のくだりはこうなっていました。 「ロビンの死後、リトルジョンは長い間、各地で活躍を続けたらしい。しかしやはりロビンあってのジョンであり、その後のジョンの物語を語り継ぐ人もなくやがてジョンは茫々たる歴史の何処かへ姿を消してしまいました。」少年の心にも、この二人の男の友情と残された友の孤独が凝縮されたこの最後の場面が印象深かったためと思います。
因みに原書房版では「リトルジョンとマッチはロビンの死後、二人の有り金を合わせ、荒地の中に小さな農場を買って、そこで身を落ち着けた」となっています、残念ながら。(ロングバージョンのレビューは http://shonan.qlep.com/のレジャー→エンタメでどうぞ)
ロビン・フッドの教科書として
★★★★☆
ロビン・フッド語も原型に様々な挿話が入り込んでふくらみ、バラバラで読むと複雑で脈絡がないような気がしてきます。本書ではそれらをきれいにまとめてあり、ロビン・フッド物語の俯瞰をすることができます。ですがところどころに入る草花や季節行事の描写がきれいでロビンや取り巻く人たちが生き生きと同時代の人のように感じられます。子供に読ませるにも読ませやすく、大人が読んでも読み応え十分でありました。
ロビン・フッド
★★★★★
ロビン・フッドのことを、知っているようで知らなかった。
昔みたアニメの印象が強く残っていたロビン・フッドを小説で読み、新たに知る事が出来たと思う。
思ったよりとても読みやすく、話もとても面白かったので、一気に読めるのではないでしょうか?
ロビンを取り巻く環境、緑の森の仲間達、愛しいマリアンなど、この登場人物達が、この小説の面白さを倍増させていて、悪役の人物と闘う場面では、結構な生々しさが伝わってくるので、感情移入も出来る読み物だと思いました。
1ページ1ページ進むごとに物語の時間が進んでいるので、後半に入るとまた違う小説を読んでいるかの様な形でこの本を楽しむ事が出来ます。
ロビン・フットを知りたいと思う人は読んでみてはいかがでしょうか?