Q:なぜフロイトを読むのか? A:そこにフロイトがあるからさ・・・
★★★★☆
精神分析が心底から大っ嫌いな僕が、やむにやまれぬ諸般の事情から、毎日睡眠不足になりつつも、想像力と文学だけじゃ患者は治らないんでないの?・・・なんてイライラしながらも、フロイト全集を勉強しはじめてから数週間・・・手元には衝動買いした精神分析の辞書・辞典の数々・・・読めば読むほど増悪する嫌悪感と嘔吐感・・・そして全身の皮膚を襲い続けるじんま疹・・・
・・・というなかで、「あ。辞書って、分からないことがあって困ったなあって思った時に引けば、たとえ哀れな初心者にだって、ある程度は分かるように書かれてあるような、とっても便利なものだったんだぁ!!・・・」なんてゆう、至極当然で当たり前のことをやっと思い出させてくれた事典でした。
精神分析マニアではない専門家にもオススメな精神分析の事典は現時点ではこの事典だけなのではなかろうか・・・などと生意気なことをつぶやく、精神分析アレルギーでお尻のとっても青い身の程知らずな、とある精神科医からのレビューでした。
臨床的有用性
★★★★★
世界でも有数の精神分析の各概念・用語を幅広く網羅した事典。
特に注目することは、執筆者はほとんど最前線で活躍している
臨床家で、内容も精神分析臨床に即したものとなっているとこ
ろである。
精神分析は特に思想的・哲学的に見られがちであるが、治療の
上での指針や人間理解の枠組みを提供してくれるとても治療的
価値の高い理論である。
その観点から事典を作成しているので、臨床家にとっては大変
使いやすいものとなっている。
反面、精神分析の思想面のみに囚われた人にとっては理解しづ
らいところがあるかもしれない。
フロイト全集を読みこなすために座右の書
★★★★★
図書館用だけでなく、個人でも必要になり、あわてて購入した理由は以下の通り。
新しく岩波書店から予約出版され始めたフロイト全集では、人名がカタカナで表記されており、いまひとつ悩ましいのであるが、これから4年近い配本の間、座右において全集を読み込むのにはぜひ必要な資料だと思える。
日本の精神分析の結晶
★★★★★
2000年までの完成を予定していたらしいがそれを大幅に越えて完成された辞典である。世界的に見てもこれほどの辞書は無いらしい。この辞典を編纂するに当たって「超学派」というのが1つのテーマであったらしい。僕の手元にあるもう一冊の精神分析辞典と比べてみても、その守備範囲の広さは感じられる。現在考えられる最高の執筆陣により構築されたこの殿堂は、精神分析を学び進めていく上でこの上ない安定感を与えてくれる。