つか版第二次世界大戦の愛と悲劇
★★★★☆
主人公の在日青年少将は、昭和20年・夏・広島でなぜ「ボタン」を押すことになったのか。幼少時より続くヒロインとの狂おしい恋愛の成就を願いつつ、青年は波乱万丈、マゾヒスティックな運命に翻弄されていく。日本、ドイツ、アメリカ、ソ連など世界を舞台にして、つかこうへいならではの熱くたぎる虚構の歴史が語られる。さまざまな人たちが青年とヒロインが結ばれることを熱望し、涙し、笑顔で死んでいく。「ボタン」を押すことによって青年は何を託したのだろうか。ふたりの愛はどうなるのか。人間の心のサドマゾ入り乱れる怒涛の展開の中で確かめてみて欲しい。