今後はこの新しい階層の台頭に要注目だとフロリダは説く。「クリエイティブ・クラス」は他の階層同様、経済をベースにしている。封建的貴族社会が土地や召使いの世襲で独自性と文化を築いたように、また有産階級が品物を扱う商人として個性と価値観をつくりあげたように、「クリエイティブ・クラス」は創造性の供給者として独自の文化を創出しはじめている。自らを「創造的存在」ととらえると、われわれの自己イメージがいかに社会に大きな影響を与えているかに気づくはずだ。
膨大なリサーチに基づいた『The Rise of the Creative Class』は、人々の嗜好や社会行動の著しい変貌を克明につづった1冊。最新の社会動向だけでなく、それが経済変化にどう結びつくのかという舞台裏までを網羅し得た。本書によれば、アメリカの「クリエイティブ・クラス」は現在推定4000万人、仕事をもつ人々の30%以上である。見逃せない数字だ。すでに彼らが下す選択は巨大なインパクトを経済に与えはじめているという。将来的には、彼らによって会社理念、勝ち組企業、それに都市の繁栄度までが決定されることになりそうだ。(Book Description)