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シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

価格: ¥525
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞社
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原題の「sinsemilla」(シンセミーリャ)とは「種子なしマリファナ」の意 ★★★★★
大作ということで、出来る限り先入観を避けたく、予備知識には触れずに読み始めたのだが、正直最初はかなり退屈であった。

ところが、登場人物もかなり出揃い、複雑な人間模様などが明らかとなるにつれ、物語が面白くなってきた。特に、中山正の美少女性愛嗜好が記述されたあたり(152頁)から、一気に視線が頁を這うようになってきた。

テーマは共同体の消長ということになるのであろうか、大作の予感を感じつつ、続巻以降の世界に浸るのが楽しみである。
シム”ダメ人間” ★★★★★
同じ作者の「ピストルズ」を読む前に、以前から評判の高かった本作からということで読んでみました。神町という田舎町を舞台にした群像劇で、登場人物60人以上ほぼ全員がエグい性癖・性格のダメ人間、文庫にして全4巻という長丁場中爽快感なし、にもかかわらず一気に読み終えることができたのは何故かと考えてみるに、この小説はあれですね、今時のゲームと同じなんですよ。分野でいえばGTAとかSaints Rowに代表される”箱庭ゲー”。またはシムズ。限られたフィールドの中で多くのキャラクターが自由に生活しているのを神の視点から観察したり干渉したりするタイプのゲームをプレイするのと同じ感覚で読んでいたような気がします。
で、ゲームに飽きてきたらせっかく育てた町を破壊することに快感を感じるところも同じ。
神町の構造化架空化が足りない ★★★☆☆
作家の想像力で描くはずの街,神町。
筆者の生まれた実在の田舎町であるが、
想像力が足りないために実在の街のイメージが残り、
なんとも読んでいて物足りない。

想像力と。創造力の産物である街を描くのに
もっと力を込めるべきである
イン ザ ミソスープ ★★★★☆
阿部文学に初めて接触するにいたり、どうせならばと、これが著者の渾身の力作と思われるものからと、
わかりやすく、分量で選択した『シンセミア』。

俺が東京に上京した頃、彼を筆頭とする若手小説家の一体をくくり、渋谷系文学なんて言われているもんだから、あまのじゃく且つ自称による文学青年気取りの俺としては、なんや文学がやたら軽ーくなってませんかあ?
フン。興味わきませんですわあ、自分っつって、敢えて手に出すにおよぶにいたらなかった。のです。

時が経てば、やはり、消えゆくモノはその姿を薄らげ、残るべきモノがそこに、ある、わけ、ならば、
名をとどめるにいたらなっかった渋谷系諸作家ら数知れず、いまある和重ならばと、我、一読の価値、
勝ち、ありかなと思ふにいたらん。

そう純度抜群のマリファナ<=シンセミア>のごとく、阿部和重の構築する文字が言葉として残り、その世界を表出させる。のか。

と期待しつつ読書すると、いたって普通にすっきりする作品じゃないですか、これ。
きっちり、たくさんの登場人物による物語がベタにすっきり収まった作品。のスタイル。

ひとつの世界を描ききる筆力をもった、もっていた阿部氏に星四つ、いかがでござんしょ。
面白くなるのは第3巻から ★★★★☆
 洪水が起こって、そのせいで死体が見つかってからですね。それから後は、神町の過去や、今までの布石がどんどんまとまって、運命の8月28日、一気に10人も死ぬなだれ込みが起こり、事後経過は終章で説明されて終わり。
 だから、1巻2巻はとりたてて面白いとは思いませんでした。文体工夫を狙っているようではないらしいので、フォークナーや大江健三郎に比すると、その点はやや物足りない。
 汚い話が多いけど、わりとドライな視点から書いているので、そんなに嫌な気分にはなりません(特に純文学に慣れていれば)。文体にドライな態度を貫いたのも、その点ではよかったのかもしれない。
 やっぱり、布石がつながるところに面白さのある小説ですね。あるいはスリリングな感覚という良さもあるだろうし。

 この小説のような終わり方を見るたびに、つくづくブルガーコフを思い出します。