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アメリカの夜 (講談社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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ついにキタか!! ★★★★☆
当時、文芸雑誌で新人賞を受賞したこの作品を読んだ時、ついに同世代で新しい文学を書く作家が登場したか!
と、興奮して読んだ記憶があります。
インパクトは強烈でした。
現在の綿谷りささんや、僕は評価はしない金原ひとみさんよりずっと斬新で、芥川賞は必ず取るだろう、そう確信した作家でした。
しかし、あまりにも時期が遅かった。
なぜ、彼が取れなかったのか?選考委員に問題があったのか?
その理由がわからなかった。
「トライアングルス」は駄作だと思いますし、あまり好きではないですが、現在の「ピストルズ」まで、とにかく、春樹さんの次世代としては、
ノーベル文学賞候補はまずはこの作家しかいないと思います。
ジャッキー・チェンよりブルース・リー ★★★★★
『アメリカの夜』はブルース・リーの引用から始まるが、この頃、ヴィレッジ・ヴァンガードのような雑貨屋ではブルース・リーのポストカードがよく売られていた。
当時のハードコアバンドやスケーターは、なぜか(ポーズとして)カンフーにリスペクトしていたような気がするし、大友克洋の『AKIRA』や、本書のタイトルでもある『アメリカの夜』を撮影したトリュフォーなど、サブカルチャーという雑多な概念でしかくくれない何かが、アイデンティティに対する消費記号として強烈な存在感を持っていた。そういうリアリティを提示している小説は他になかった。
また、本書は一人称形式だが、主人公の虚構性が、語り手によって序盤で暴かれるという格好。
その独白がフィクションの解体につながりながら、逆説的に物語が進行する。
何だか半べそ入ったようなメタフィクションで、批評的に考察される「物語内部」と「現実」における自我の距離感が、ブルース・リーの截拳道における「型」と「実戦」の不可能性をなぞり、次第に文学になっていく。形而上学的テーマを扱いながらも、語り手の素っ気なさは我々の「日常」とほとんど同じ水準。
この振れ幅は半端ではない。
間違いなく時代を代表する作品のひとつ。
生意気な話ですが ★★★★☆
評論化気取りの読者が読むような作品。
阿部さんはそういった種の作品が多い気がします。

鴇の話より、こっちのほうがおもろい。
芥川賞とればよかったのにね。

おまえはおれか! ★★★★★
主人公が考えている内容だとか、まわりくどい言い回しだとか、語り手と主人公が分裂しているところだとかがまさに私と似通っていて、読みながら「お前は俺か!」とツッコんでしまった。特に感動してしまったところは主人公・唯生がツユミに恋心(のようなもの?)を抱いたときに放った言葉(本書p59〜65)。だがしかし、同じ箇所で同じように感動する人がどれだけいるのだろうか…。
個人的にはかなり好きな作品だが、あまりオススメはできない。よくわからない人にはわからないように書かれてしまっているし、そういう人にはページを捲るのが苦痛ではないかと思う。
阿部和重の鮮烈な処女作 ★★★★☆
『アメリカの夜』は、La Nuit Americaine。
フランソワ・トリュフォーの映画のタイトルでもあります。

なぜ、このタイトルが使われたのか、は最後の最後になって
分かるのですが、その使われるセンスの良さと同時に構成の
妙にうなってしまいました。

ポストバブルを迎えた彷徨えるスピリットに、この小説は
爆弾のように投げ込まれます。
観念的で読みづらいことは確かですが、この小説は観念
そのものを謳っているので、こういった書き方には当然
必然性があるのだろうと思います。

『アメリカの夜』は、どうしたってそのときでなければ
書けなかった必然性をもった観念小説であります。