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人間失格 (まんがで読破)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: イーストプレス
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原作以上! ★★★★★
 原作は20年くらい前に読んで、その適度な短さや意外と読み易い文体で評価したが、当時カミュ、ドストエフスキー、椎名麟三、江戸川乱歩、夢野久作など他にも云わば「人間失格型小説」を濫読していたので、まあワンノブゼムって印象だった。

 で、この「まんがで読破」版だが、いつものねちっこい画風が原作のイメージにピッタリで大成功!むしろインパクトの強さは原作以上だと思った。現代的な画なのだが、特に女性の髪形や服装なども、それらしく描いてあり違和感は全く無い。主人公の風貌もおそらくは意図的に太宰治に似せて描いてある。原作で記憶に残った主人公作の漫画「ノンキ和尚」まで描かれてあったのは正に感涙もの。

 この「まんがで読破」シリーズも玉石混交だが、本作は『蟹工船』以来の大ヒットである。作画担当者名が「バラエティ・アートワークス」という工房名(?)しか記載されていないが、ぜひとも個人名も知りたいくなるほどの、かなりな才能だと思う。

 ただ意見が分かれる所だとは思うが、自分的には、主人公の父親など登場人物の一部がのっぺらぼうに描かれていたのは、やや安易な手法であまり感心しなかった。
初めて読みました。 ★★★★★
作者の苦悩が伝わった本でした。マンガでわかりやすかったです(^^)
自分がお道化者だと思う人は原作を先に読むのがお薦め ★★★★☆
自分がお道化者だと思う人は原作を先に読むのがお薦めである。
原作は全然難しくないし、お道化者ならああ、これは俺のことだ」と思える点が
満載だからである。

自分が,お道化者かどうかは,次のようなテストで判断してください。
書き出しの「恥の多い生涯を送ってきました」で思わず笑ってしまった人、
あるいは,ドキッとした人。

どちらもお道化者です。

原作を読んでから読めば,この漫画のコマのひとつひとつがが,ああこれを表現したい絵なんだと言うことがよくわかる。
無駄なコマが無いと言うことは,優れていると言うことだ。

ところでP10の,4コマめ,この表現はダメです。はっきり違います。
「ワザ」ですか。
中学生の頃から…何遍も読みました。 ★★★★★
現在、38歳。
…自分というものの中身を、
うっすらと感じることが出来るようになり…

人間失格を手放すことになりました。

一生でこれほど長い期間に渡り読み返した本はありませんでした。

…ありがとう


「わからない」ということの優越 ★★★★☆
「私」はひょんなことから三葉の写真を目にした。同じ男の写ったもので、
何とも不気味な笑顔の幼少期に始まり、恐ろしいほどの美貌をたたえた
青年期、そして白髪が交じり年齢不詳になった最後の一枚。この間に男
の身に何が起こったのか。男の手記は、「恥の多い生涯を送ってきました」
で始まっている…。

本編がある男の手記の体裁をとっている太宰治『人間失格』は、自己の
才能と自意識におぼれ、次第に堕落していく男の話だ。

幼少時代、よくわからない人間が怖いあまり「親がこうであってほしい子供
像」を率先して演じてみせれば、教師や学友の前であえて「道化」を演じて
みせるのだが、やはりそこに恐怖以外の独特の「優越感」があったことは
隠せない。

ただこれも注意深く読むと冒頭で著者である「私」にあっさり「笑顔」ではな
いと見破られているわけで、実はそんな無垢な子供の道化を演じていること
をまわりの大人、強いては竹一以外の学友さえも気づいていたのかも知れ
ない。そこはかとなくまぶされた、今風に言うところの「自分」の「イタさ」は、
自身がそういう子供であったのだろう著者が大人になって「バレた」ことに
気づいたが故の残悔の念の現れか?

誰も俺の才能を理解できない。内気でそう強くは言えないけれど、それが
「自分」の主張であり、わからない人間の代表といえる「堀木」に旧友の竹一
に褒められた「お化けの画」をまだ見せていないということのみが、著者の
才能を根拠づける唯一無二と言っていいほどの確証になっていることは、
未だ近代を生きる我々読者も笑えない。

「人間」や「女」がわからないとボヤく「自分」の奥底には、やはりわからない
ことへの優越があり、そこから匂うのは自意識過剰なのだが、その「過剰」
の部分こそが、いわゆる近代小説と呼ばれ出回っているものなのだろうと思
うと、「(ふつうに)就職できる人が羨ましい」とか「(真っ当に)結婚できるの
はエライと思う」と他人を褒めることで逆説的に愉悦に浸る我々の自我は、
そういった近代小説型の自我から一歩も抜け出せていないのだ。