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思索紀行 ――ぼくはこんな旅をしてきた

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 書籍情報社
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立花隆というホモ・ルーデンス ★★★★★
「知の巨人」と称される立花隆さんのホモ・ルーデンス(遊ぶ人)な
一面を取り上げた本。

取材と称しての無人島での壮絶?な数日間の冒険や、
フランスが世界の中で強い存在感を保ち続けられる理由を
「ワインとチーズ」で書くなど、
立花さんの人間としての触れ幅の大きさがよくわかる。

立花さんは「世の中で必要なのはゼネラリストだ」と主張する理由が
本書を読めば理解できるかもしれない。

遊びを知らない指揮官(ゼネラル)なんて、人としての深みが無いじゃないか。
立花さんはそう言ってるのかもしれない。
同じ旅をしても知識と教養があれば視界が違うことがわかる ★★★★★
立花隆の過去何十年かの紀行をまとめたもの。雑誌記事などが多く旅行先も日本の無人島、パレスチナ、イスラエル、ニューヨーク、フランス、スペイン、ギリシャ等々雑多である。しかし、どの紀行も単に「行った、見た」だけではなく、特大の好奇心と膨大な教養が背後にある。確かに同じものを見ても知識があるかどうかで見方はまったく変わって来るまた逆も真なりで、単なる情報として持っている知識を超え、肉体としての自分を現場に運ばなくてはわからないこともある。

書名の「思索紀行」もこうした意味をこめているのだろう。中には発表時期が古過ぎて若干興味を失うものもあるかもしれないが、読み飛ばしても構わない。一番面白いのが書き下ろしの序論の部分、著者の旅に対する考えがしるされている。

本書中で紹介されているところでは、世界遺産にもなっているスペインのエル・エスコリアル修道院に行ってみたい。スペインの最盛期に威信をかけてつくられた芸術の宝庫だという。

また読んでみると、やはり立花隆には「まとめる」才能があると思わされる。第3章「ガルガンチュア風」暴飲暴食の旅、では1984年に第3回ソムリエコンクールに優勝したばかりの無名の田崎真也と2位のソムリエとフランスでワインを飲みまくる旅について書いてある。途中にワインについての予備知識があるのだが、すいすい頭に入って来る。やはり「書く」プロの仕事である。
偉大な作品 ★★★★★
この本に出会えたことを有り難く思う。
旅に出てはじめて見えてくるもの、理解できることがある。
パレスチナ、ニューヨーク、ユダヤ、宗教、食、、、
そして自分のこと。

立花隆の旅をとおして、
実は自分を見つめて直しているような気がしてくる。

面白いとか傑作とかではなく、
非常に評価できる偉大な作品。
間違いなく後世に残したい偉大な作品。
橘隆志は如何にして「知の巨人 立花隆」になりしか? ★★★★★
まさに、このようなテーマで行なわれた立花教授の特別講義のレジュメのようです。
序章はガイダンスにあたり、第1章以下の概略の説明と共に、
「何故、旅に出るのか?」、
「何故、旅をしなければならないのか?」について、氏の考察が続きます。
この章を読むだけでも、充分、本1冊分の価値があります。

続く各章では、氏の、様々な時代の、様々な場所(日本を含む世界各地)における旅の記録なのですが、
氏が断わりを入れているとおり、「何を見た、何を食べた、なにをした」といった類の、
単なる旅行記ではありません。
これらのことを契機として、『立花隆が、何を、どのように考えたか(思索したか)』の記録です。

つまり、我々読者は各章を読むことで、
「氏がどのようにして、自らを現在の立花隆たらしむべく創っていったのか」
を探る旅に出掛ける事になります。

氏が、「この世界を本当に認識しようと思ったら、自らの肉体を移動させること、
つまり必ず旅が必要になる」と言うところに、
私は氏のジャーナリストとしての、知の巨人としての原点を感じました。

勝手に氏を「心の師匠」と仰ぐ私にとって、この本は待ちに待った本です。
中に納められた写真、特にキリスト教に関係する写真も素晴らしいです。
圧倒的な分量にも関わらず濃密な内容の文章と、ビジュアル的にも楽しめる写真を併せて、
間違いなくお買い得です。

圧倒された ★★★★★
昔から立花隆のファンで、著作はほぼすべて読んでいるつもりだが、この本には圧倒された。「幅が広く、奥が深い」という著者の特質がもっともよくあらわれた本ではないか? とくに、20年以上前から、「世界帝国の首都=ニューヨーク」と「現代史の最大の攪乱要因=パレスチナ」に注目し、対比する形で研究を続けてきたところはさすがだ。