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潤一郎訳 源氏物語 (巻1) (中公文庫)

価格: ¥960
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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谷崎 潤一郎 (翻訳)
原文の雰囲気が楽しめる現代語訳 ★★★★★
何人もの文豪が源氏の現代語訳をされていますが、私は谷崎源氏が一番好ましく思います。
原文の持つ柔らかさ、なまめかしさなど、平安時代の空気を感じさせてくれます。
平安の宮中で、女房の語りを聞いているような柔和な、優美な訳です。
漫画や他の方の現代語訳で源氏物語に慣れている方に、ぜひお勧めです。
原文の雰囲気を留めていることのデメリットは、基礎的な知識がないと
主語などがハッキリとは書かれていないので話が見えないというところでしょうか。
源氏物語初心者の方には、瀬戸内訳を入門編としてお勧めします。
谷崎潤一郎の最高峰か ★★★★★
谷崎作品は好きで、全集三十巻以上と谷崎源氏十二巻、とりあえず一般人が手に入れられる範囲では、全て読んだ。何度も読んだ。
で、きら星の如き、傑作数多あるなかで、彼の文学の最高峰は源氏物語訳だと思った。

どう好いのか、どう美しいのか…物語の面白さは紫式部の筆に帰するとしても、
谷崎訳の現代語表現の美しさ(流麗、豊穣、気品、陰影、朧さ加減、匂やかさ、しっとりとした敬語、文字配列の視覚的美しさ等々、、、、挙げればキリがない。)は、
彼の才能と長年の芸術活動の成果、賜物ではないだろうか。
若年時からの様々な試み、鍛錬を経、彼は遂にここに日本の伝統美を表現しきったのだろう。
まさに谷崎源氏は日本文学の白眉だと思う。

源氏訳については、谷崎、与謝野、円地、瀬戸内といろいろな源氏あるが、
この作品はよく「谷崎さんの源氏で、訳としてはわからない」(川端康成)と言われるように、
源氏を勉強しようとする人には不向きで、そう言う人には瀬戸内寂聴さんのものがいいのではないだろうか。
(「自分のものはかなり原作に忠実だ」と言う様なことをご本人がどこかでおっしゃっていたから。)

谷崎源氏の魅力。 ★★★★★
谷崎はこの源氏物語の現代語訳について、以下のようにコメントしています。「この現代語訳は一般の読者が、現代小説を読むようなつもりで読めるように配慮した。」これは、大変な宣言です。古典を現代小説のように読む。そんなことが出来るんでしょうか?大体、古典には現代日本語と違う文法と語彙が存在します。このことだけでも、翻訳はオリジナルの良さを50%は失っています。さらにこの源氏物語には歌が挿入されている。これはさすがの谷崎もオリジナルをそのまま残さざるを得なかった。なぜなら、これは詩ですから、意訳することは決して許されない。だから頭注で解説せざると得ない。

源氏は谷崎にとって日本文学の本質でした。日本文学とはこのようにあいまいで含蓄に満ち、優雅で音楽的である。つまり谷崎はこの現代語訳を通じて、徒にそして中途半端な仕方で西洋化してしまった近代日本文学に有るべき姿を実例を持って示した。理論でなく実践で示したのだと思います。西洋人のように、なにもかも赤裸々あからさまに語りつくしてしまうことに野暮を感じた谷崎潤一郎。

さすがは江戸っ子。関西で日本に目覚めた東京人。もし谷崎が関西生まれだったら、この源氏物語現代語訳は存在しなかったのではないでしょうか?
平安時代の空気が息づいている ★★★★★
源氏物語の定番の現代語訳には、谷崎訳・与謝野訳・円地訳・瀬戸内訳等
がある。谷崎訳は源氏初心者向けでないものの、最も文学的に秀でた訳だ。
意訳も抑えられ原文に忠実で、解釈も正確といえる。

初心者向けでない理由は、わざと原文通り主語の省略を活かしたままなので、
誰の行為なのか読み取らねばならないこと(頭注や、敬語の程度、文脈、
ニュアンス等で分かる人には分かる)、意訳を抑制してあるので原文のあいまいさ
・ぼかし表現が残り、どんな内容なのかをも読み取らねばならない箇所があること、など。
これらは一見不親切に見えるが、源氏物語に充満している平安貴族社会独特の
雰囲気を失わず、文学性を実現しながら原文を忠実に守るという高い目的の為に
敢えてそうしてある。源氏物語を溺愛し続けた川端康成も谷崎訳に「完璧だ」と
賛辞を送った。
谷崎源氏にはいかにも古典を訳しましたという機械的で不自然な無機質さがなく、
普通に文学を読んでる思いだ。訳に主語をいちいち補うと解説調になってしまい、
臨場感・リズムが失われて詩的感覚の無い単調な脚本になってしまう。
「源氏物語を勉強したい」ならともかく、「源氏物語を味わいたい」人には谷崎がいい。
凄く情感的だ。ぐいぐい引き込まれて読んでしまい、疲れない。
どこから読み始めても、たとえ人物関係が分からなくなっても味わえ、慣れれば
不思議とスラスラ分かるようになってくる。
登場人物に対する冷ややかな批判的視線も無さそうで、訳者が男であるためか
姫君達それぞれの魅力的な様子や仕草の描写に実感がこもっていて、共感する。

おすすめ! ★★★★★
数ある源氏物語の訳本の中でも白眉。 優雅な中にも端正さのある言葉の選び方で古典の世界観をまったく損わない訳はさすが谷崎潤一郎。一番のおすすめ。