民主主義の失敗
★★★★☆
内容: 政府の経済運営に不満を持っている人は多いけど、でもなぜ政府は失敗するんだろう?? 有権者の投票行動の経済学的な分析から、政府・民主主義の失敗を説明した一般書。。 カプラン曰く、『政府は人々の望むものを達成できなくて失敗するんじゃない。人々の望むものを達成するから失敗するんだ!』 経済学の教科書を開いた事のない人々も経済政策に投票するんだから、間違った経済政策が選ばれるのは自然だ!って事だそうです。 感想: クオリティは芸術的に思えるけど、数式は使われてないけど、ミクロ経済学を学んだ経験がないと理解しきれないだろう難しさ故に、一般書としては中途半端なんじゃないかなぁ。 『不合理の需要曲線』とか、とんでもない事言ってるカプラン。でも彼は間違ってないかもしれないと思いました。
経済学者は、それほど偉いのか?
★★☆☆☆
読みにくく分厚い本です。
統計結果から、経済学等を勉強すれば
選挙で愚策を選ばなくなる
要は、そういった持論が展開されてます。
非常にややこしく持って回ってますが、その説自体が納得できるかどうかでしょうか。
内容はよいが、翻訳が悪い
★★★☆☆
本書の主張は論争的だが、すべての有権者にとって一読の価値はあろう。
テキトーな内容紹介:
アメリカで行なわれた意識調査に基づいて、
一般の選挙民が持つ経済観と経済学者のそれとの差異を指摘し、
そこから一般人の経済観、信念に見られる4つのバイアスを指摘。
そして信念に対する選好という考えを導入し、
一般の選挙民がその選好によって、自分たちにとって不利な政策を
嬉々として選ぶと主張する。
そういったナイーブで扱いづらい選挙民と
狡猾な政治家らとの相互作用によって、
民主主義は経済的な大惨事を免れているとも。
民主主義よりは市場の方がまだ信頼できるとも。
経済学者たる者の心得みたいなものも提示してくれる。
これから読むひとへの、ささやかな忠告:
訳者あとがきで、訳者ら自身認めているように、訳はよくない。
誤訳、原文での強調(イタリックなど)の無視、
原文では標準文字が訳文ではなぜか太字になっている箇所が
目につく。
もしあなたが英語で読むのが苦でないなら、
原著で読むべきである。Bryan Caplan著 The Myth of the Rational Voter
もしあなたが英語で読むのが苦であるなら、
原著をわきに置いて、本書で意味不明な箇所は原著で確認すべきである。
悔しいが 説得力は あるんだよ
★★★★☆
1.内容
おおむね、民主主義より市場の方がうまく行くことを、経済学を用いて明らかにした本。なぜ民主主義がうまくいかないのか。たとえば以下の3つの理由が考えられる。第1に、平均的な人(本書ではアメリカ人となる)は、反市場、反外国、雇用創出、悲観的、各バイアスを持っているから。第2に、投票はただなので(市場ではお金を払うので選挙より合理的に選択する可能性が高い)正確な知識がなくても判断しがちなので、非合理な選択をする可能性が十分高い。第3に、政治家は選挙で当選しなければならないので有権者の非合理的な選択を支持せざるを得ない。このような不合理な結果を防ぐには、場合によっては教育のある人により多く投票権を与えるなどの方策が必要かもしれない。
2.評価
私は、経済学は素人だからか(経済学部に行っていないので)、感情的には、この本に反発したい気持ちが強い。しかし、著者の展開は極めて説得力があることは、よく読めばわかっていただけると思う(教育を受ければ経済学的な見方をしやすいことを調査から明らかにしている、金融市場の比喩が説得力がある、など)。ただ、政策は、そもそも経済的に合理的(著者の理想)であればなんでもいいわけではないことを喚起する意味で、星1つ減らし、星4つ。
翻訳が悪い
★☆☆☆☆
選挙がもたらす不合理を説明する本。翻訳の文章が悪く何度も読み直さないといけない。「多様な意見はなぜ正しいのか」という書物と同じ分野ではあり全体として専門的な議論を紹介してあるが、この本は訳文の工夫が不十分ですらすらとは読めないことが最大の問題。