ロックンロールの明日
★★★★☆
バンド名は知っているが聴いたことはないというバンドは多い。絶対好きだなと思えるバンドほど後回しにしてしまう。試聴もしない。これ僕のポリシー。
なんでかって。聴いたら最後、きっとCDがどうしても欲しくなるからだ。あいにく懐には限界というものがあり、全て買っていたらキリがない。そう分かってても、買ってしまうからだ。聴く前で止めとおかなければ。
でもその我慢ができずに試聴をしたくなる、購入したくなる音楽に出会えたときは、迷わず買う。僕はそれを運命と呼ぶ。人はそれを衝動買いと呼ぶ。
というわけで。
今手元にa flood of circleの「泥水のメロディー」がある。
いやぁ、良い!荒削りだが、すごく良い!まずなんと言っても、ミッシェルガンエレファントばりのザラついたサウンドとボーカルが気持ちいい。しかしメロディアスで歌を中心とした楽曲が多く、柔軟な歌い回しはFoZZtoneにも似ている。なんならB'zにも近い。
タイトル曲「泥水のメロディー」のギターリフとメロディーはストレートにかっこいい。なのに「Red Dirt Boogie」の盛り上がり方、大サビへの流れなどはとてもカラオケ向きだ。
断片的な詩の世界観は黄昏のロマンチックにまみれている。しかし「Swimming song」では情景的なラブソングに淡いコーラスを重ね歌い上げる。
芯の通ったロックンロールながらJ-POP的な作りをしている。試聴じゃ分からなかったが、分かりやすくかっこいいかたちのロックバンドだ。おもしろい。
デビュー作「a flood of circle」から比べても歌の色が濃くなっている。今後、どう転がっていくのか、期待の大型新人である。フルアルバムが待ち遠しい。