ブラウン運動を説明する,アインシュタインの理論とその理論に基づく実験結果によって
今まで,原子の存在を信じなかった学者たちも原子を信じるようになったとは,初めて知りました.とても面白い話だったと思います.読みやすいスタイルでとてもよかったです.

ブラウン運動に関する高度な内容を扱った書物は多いのですが、
初心者向けの書物がないなぁと思っている矢先に、この本を見つ
けたのですぐ購入して読みました。
ブラウン運動の歴史を通して、どういった人たちがこの問題に関
わってさまざまな貢献をしたかがよくわかりましす。１８２７年
のRobert Brown氏の論文を発端にして、Einstein氏,Smolukowski
氏,Perrin氏,Langevan氏など様々な人々が登場し、読んでいる者
にある種の興奮を与えてくれますし、「ひとつの問題でもこんな
に色々な人が手間暇かけて解決に向かっているのだなぁ」と改め
て感じられます。
巻末の参考文献も大いに役に立ち、私のように化学に従事してい
る者にとっても刺激的な内容です。なんと言っても、筆者の米沢
富美子さんの言い回しが滑らかで、女性にしか書けない読みやす
い一冊になっているのではないかとも感じます。
純粋に読み物として読んでも、十分に科学を堪能できる書物だと
思います。