セリフのない戯曲
★★★★★
全編を通して一言もセリフのない無言劇である。
舞台は「広場」である。
そこでは誰も立ち止まらない。てんでばらばらに現れ、「キマイラ」さながらにさまざまな姿態をとり、
また去っていく。
登場人物は、男、女、初老の女、ハイヒールの美女、ローラースケートの男、少女、道路掃除夫など
どこの広場にでもいそうな人物だけでなく、イサークやアブラハム、ペール・ギュントまで幅広い。
彼らは一言も言葉を交わさない。それでいて何かがそこで行なわれている。
まるでダンスの舞台を読んでいるようだ。