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引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: ポプラ社
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桜色の幸福感に包まれる心優しい物語 ★★★★★
柔らかな色合いの表紙、控目なイラスト、本文の字体、背表紙の字体やイラストも落ち着きのある素晴らしいものです!

継母とそりの合わない少女が祖父母と暮らす ためにやって来たのは、海を見下ろす山の中腹に立つ平屋の家。その辺りは昔から「花明かり」と呼ばれる「小さな人」が住むという。喜ぶと素敵な香りを 放ち、草花を活き活きとさせ、夜道を照らすという「花明かり」・・・。引き出しの中に「小さな家」を作り亡き母を思って一人遊びをする少女の前に、あ る日、本物の「小さな人」が現れて素晴らしい体験が始まる・・・というお話。

読み始めはいかにも子供向け、女の子向けのお話で、ままごと遊びをする雰囲気が続いてちょっとどうかな?と正直思いました。しか し、読み進むほどに引込まれました。装幀と同様にお話の展開も実に丁寧で、優しい雰囲気が溢れているのです。

第一部では「七重と独楽子 (こまこ)」、第二部では「薫と桜子」という二組の「少女と花明かり」が友達となります。七重たちから40年ほど後に出会っ た薫と桜子はそれぞれの「叔母と祖母」の体験を知って、二人の「かなわなかった願い」をかなえようとし、心優しい大人達の助けもあって 春爛漫の中で幸福な時が訪れる・・・文字通りのハッピーエンドが味わえます。

温暖な気候、新鮮な空気、かぐわしい花の香り、日だまりのぬ くもり、そして鳥の囀り・・・。豊かな自然に囲まれた古い家を舞台に繰り広げられる物語は、読む者を桜色の幸福感に包んでくれ、読了後は庭の片 隅の草花や、盆栽の中の小さな自然にも目が行くようになります。そうです。「花明かり」というのは身の周りの「小さな自然」の事 で、触れれば壊れてしまうささやかな存在であり、暖かな眼差しを持ってそれらに接することで得られる幸福感のことなのかもしれません。

素晴らしい装幀の素晴らしい物語の本!すべての人にお勧め!

離れて住む祖父母や子供達にも送ってあげたくなります。
優しさを形にした本 ★★★★★
 この作家さんの作品はいつもそうですが、人の善意や優しさを信じる心が底流にあります。そしてそれが品位ある上質な読後感を与えてくれて、あの物語の世界に繰り返し浸りたいという気持ちにさせてくれるのです。今回は、花の精である「花明かり」と交流するために必要な信頼と優しさがテーマとして描かれます。見えないものが見えるようになるのは、それらをもち続ける人の心しだいだということをほんわりと教えてくれてもいます。それは、日常生活では忘れられがちだからこそ、ああ、そうだったと、大人の心にも響いてくるのでしょう。童話はかくありたいというお手本のような作品になっていると思います。
「可愛い」がいっぱい詰まった愛しい本です ★★★★★
愛らしい装丁に、かわいい挿絵。
女の子の「好き」が、いっぱい詰まった本でした。
「小さい」という事は、こんなに心くすぐる事なんだと、少女の頃に大好きだったものを、
久しぶりに思い出してほっこり。
小さな花明りの人たちと、「手」で作るものを通して心が繋がっていく楽しさに、
人として大切なことを教えられる気がします。
これは、母娘で読むと、絶対楽しい。
息子しかいない私も、すっかり少女気分になれました。
作者の、端正で豊かな文章の力が、作品に奥行きを与えています。
子どもが読んでも、大人が読んでも楽しめる本だと思いました。