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エドの舞踏会―山田風太郎明治小説全集〈8〉 (ちくま文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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明治ワイドショー ★★★★★
平成も明治も人の噂は蜜の味。
明治の偉人たちの妻を描く。小新聞や(読売)の新聞に掲載されたうわさ話を核に
風太郎翁の創造力と想像力の翼が天まで羽ばたく。
井上馨夫人
伊藤博文夫人
山県有朋夫人
黒田清隆夫人
森有礼夫人
大隈重信夫人
陸奥宗光夫人
ル.ジャンドル夫人
森有礼夫人に拍手 ★★★★★
 どのご婦人もそれぞれに魅力的で、著者の力量が十分に発揮されている。
 前の方々が書かれているので、多くは語らない。
 一番快哉を叫びたかったのは、森有礼の夫人である。生活そのものをすべて洋式に切り替えさせられ、畳の部屋が一つもない屋敷に住み、洋食しか食べることを許されず、という徹底した夫に従順に従い、最後に金髪碧眼の子どもを産むのだ。こんな見事な仕返しってあるだろうか。
 こういう人物が最初を担ったのだから、今、日本の教育が壊滅的になっていても仕方があるまい。
美しき明治の華たち ★★★★★
明治時代に実在した政界の大物達、及びその夫人達を登場人物に配し、
実際にあった出来事を元に山田風太郎が自由に想像の翼を広げたフィクションの短編集なのですが、
その生き生きとした筆致から紡ぎ出される物語の数々は見事という他ありません。
例えば黒田清隆の陰惨なジキルとハイドぶりや
森有礼の異常なまでの欧米崇拝・亜細亜蔑視に驚かされ、
そして最後はこの本の主人公である山本権兵衛とその夫人の心打たれる情愛のシーンで思わずグッと涙ぐみ、
まこと最後まで飽きさせぬ優れた作品でありました。
現代の女性よりも束縛や制約が強い環境の中、多くを耐え忍ばねばならなかった明治の女性たち。
そんな中で、出生の貴賎に関わらず上流階級の妻として力強く花を咲かせる女性たちの姿には、
感銘をおぼえ勇気づけられます。
けなげにもたくましく生きる女性達 ★★★★★
外国、主にヨーロッパ、アメリカだと思うが、そこでは昔から日本女性はもてていたと読んだ。
なぜだろうか?「蝶々夫人」の影響だろうか?
どうやら「表面的にはたおやかで物静かで我をはらないが、一旦ことあればその秘められた芯の強さが分る。」と言うことらしい。
今の日本女性でも素晴らしい人がたくさんいる。
単純に言えば、昨今のオリンピックでメダルを取るのは日本では男子と女子とどちらが多いでしょうか?
もちろんこれだけではないが、日本女性の良質な資質が昔から皆は分っていたものと思う。
そして、ここに書かれた8人の顕官の夫人達、そして山本権兵衛の夫人。
力弱く、たおやかで、はかなげだが、芯の強さを秘めて人生を生き抜いている。
私が一番好きなのは「ル・ジャンドル夫人」。天覧芝居で、子を思う母親の叫びが響く。
思わず涙腺が・・・。そして、山本権兵衛と夫人登喜の最後。

「実にえらか奥さん方でごわした!」
奥様がた、お見事です ★★★★★
鹿鳴館に集う、今で言う「偉人」たちの妻、に焦点を当てたこの作品。
オープニングに海軍少佐(後、政治家となる)
山本権兵衛とその妻を登場させ、
「明治の偉人たちの妻には、芸者・遊女出身の女性が
多かったのですよ」と作者は読者にこっそりと耳打ちする。

そして、朴訥とした軍人である山本権兵衛が、会津の家老の娘から
女性として初の海外留学生となった大山捨松(大山巌夫人)と共に
西郷従道からの命を受け、「どうか鹿鳴館にお越しください」と
それぞれの妻たちに出会い、それぞれの「家庭の事情」に
踏み込んでゆく、という形をとったオムニバスになっている。

しかし、芸者・遊女出身であったからとて何であろう?
作者は、西郷従道にこのような意味の言葉を語らせる。
男は、出自が卑しいと、どこまでも卑しいままだ。
しかし女は、出自がどうであろうと、偉くなったらどんどん
美しくそれ相応になってゆくのだ、と。
これは、作者自身が、明治の女性に対して考えていたことでは
ないだろうか。
強く、優しく、たくましく、しなやかな、明治の女性たちの美しさは、
色も形も違うさまざまな花を見るようだ。

また、作中のところどころに、「その後の有名人」がちらりちらりと
顔を出すのも楽しみの一つだ。

この作品は、明治の偉人の妻、に焦点が当たっているが、
明治の市井の妻、について読むなら、群ようこの
「あなたみたいな明治の女(ひと)」をおすすめしたい。