インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

四季 (新潮文庫)

価格: ¥448
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
中村真一郎の四季 ★★★★☆
中村真一郎の"四季”は、いろいろな意味でこれからの3部作の導入に
大きな役割を果たしている。私は、"冬”から読み始め、戻り形で"四季”を読んだが、そこには、綿密な伏線が張り巡らされている。しかし、その文体は、記憶を呼び覚ましながらの物語が進むので、いささか、冗長な感じがする。しかし、方法論は見事。
冬から読む野のよし、また四季から読む野のよし。
度かkらでも読める小説です。
通読してわかる楽しさ ★★★★☆
 始めは読みにくい本だなと感じて仕方なかった。地の文章が説明がくどい感じがして、そこに主人公の記憶で過去に遡行する部分と、友人の記憶との食い違いのエピソードが混じるので、物語の展開のリズムが悪く思えた。しかし、高原の避暑地を舞台に戦争前夜の時代にさかのぼるストーリーに徐々に引き込まれていった。(既出のレビューには私も納得しました)
 「将来に対する絶望感に満ちた時代」というものを、頭では理解出来ても自分ではもちろん経験したことがない。当時の彼らの思いもさることながら、それを感慨深げに思い起こして、思い出の地を巡る彼らの行動の意味の深さを真に理解することは出来ない。しかし、そのような状況の中で性的に目覚めた彼らの高揚感や、その反動から来る潔癖さというのは非常に良く理解できて、そこに共感を持ってしまった。月並みな言い方だが、青春の同じ悩みを共有することが出来るのである。
 「本書は四部作の冒頭であり、全体を通読しないと真の意味は分からない」とあとがきにはある。通読したあとに戻ってくるのが楽しみな作品だ。
プルーストを血肉化した作家の北極点 ★★★★★
 中村慎一郎さんは、古今東西の書物を渉猟したディレッタントとしてつとに知られた人ですが、小説家としては、一貫して方法にこだわった人でした。特にお気に入りはプルーストの「失われた時を求めて」。

 プルーストが切り開いた内面世界の作品化というのが、中村さんのテーマだったと思いますが、篠田一士と丸谷才一という強力な応援団がついていたおかげで、かなり実験的な作品を書きながらひたすら我が道を模索し続けました。そして、たどり着いたのが「四季」の書き方。難しい言い方をすると、意識の流れを絡め取るために開発された重層的なエクリチュール。

 従って、「四季」は他の小説のように、すらすらとは読めません。かなりの集中力も要求されます。でも、努力するだけの値打ちはありますので、途中で投げ出さないようにしましょう。読み始めると、主人公の頭の中に入り込んだような感じになりますが、そうなったらしめたもの。その感じを味わうのが、この作品の味わい方なのです。ストーリーなんて二の次でいいんです。次から次へと浮かぶ想念を追いながら、濃密な追体験ができれば、これまでに味わったことのない充実した読書体験ができると思います。あなたもチャレンジしてみませんか?