そしてこの『アンの幸福』で新たに登場する、アンの下宿先の女中レベッカ・デューがまたいい味出しています。
またアンは同僚との人間関係にも悩みます。私たちも1度は経験している悩みをアンはどう乗り切っていくのか?私にとってはいろんなところで共感できる場面がたくさんあります。もしかしたら作者のモンゴメリも体験したことがあるのかもしれませんね。
アンはよほど縁結びに長けているらしく、あちこちでカップルを成立させます。その恋愛談の1つ1つがバラエティーにあふれていて面白いのです。またアンの下宿先の柳風荘のメイド、レべッカ・デューやお隣に住む妖精のような少女エリザベス、アンを慕う生徒の1人ルイスなど個性あふれるキャラクターが続出!アヴォンリーの人々同様、愛すべきキャラクターの中でアンが繰り広げる活躍は、何度読んでも飽きません。
ちょっと残念なのは、アンの手紙の中でギルバートに宛てた恋愛表現が少ないところ。でもアンの生き生きとした書きっぷりこそが、愛情表現なのかなと思います。こういう手紙、貰う方のギルバートは読んでいて本当に楽しいんでしょうね。