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貧困の僻地

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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良本 ★★★★★
 日本人が途上国援助をする際に、草の根すぎて援助者本人の生活が立ち行かない姿と、その真逆に潤沢な援助資金で肥え太る援助者の両方の姿をよく目にする。敬虔なカトリック信者で、強力な資金力を誇る日本財団会長を長らくされた作家のエッセー集である。
 曽野さんは現場主義を貫き、かならず自分が援助した現場に足を運ぶ。現場主義を守るのは、援助先を決めて資材を送っても途中で色々な人の懐に入ってしまうからだという。信頼できる援助者を見つけることが大切だという。その援助に関する考え方と姿勢は一貫し迷いが感じられない。長年にわたる援助者としての活動の背景には信仰がある。さまざまな倫理的問題や時事問題への発言は歯切れよい。
 明らかに途上国の貧困は私達の想像力を遥かに超えている。本書で垣間見た貧困の現実を直視し、さらに次の行動へと進む者が生み出されたなら、この挑発的なエッセーの秘められた主題は達成されたと言えよう。
やはり曽野綾子先生は覚悟が違う ★★★★☆
 作家にして日本財団の理事長も務めてしまった著者が、その間に感じたことなどを雑誌に綴ったエッセイをまとめた本である。

 援助したお金が誰かのポッケにナイナイされるようなことが当たり前の世界で、本当に送金したお金が使われているか確認するには自分が行って目で確かめるしかない。インドのカースト最下層(書くとAmazonの検閲に引っかかるから書けない)のための小学校、マダガスカルの僻地の病院、カンボジアの地雷除去作業、南米での捨て子を養子縁組する施設。
 そこで目にするのは、想像を絶する貧困である。著者はそんな光景を何度も見るうち、老年の自分が怪我や病気になった時など、トリアージにより治療を受けられなくたって別に構わない。老人も全員が金持ちで健康に暮らせるようにする必要があるのか、と達観していらっしゃる。

 生活保護だけでは子供を修学旅行に行かせられないとか、差別されて来た歴史があるから優遇しろとか抜かす輩は、病院に水道もトイレも無い僻地に行って格差是正を叫んでこい!と言いたくなる。
読み終えると見聞が広がっていることに気が付き・・・。 ★★★★★
曽野さんはわたしの好きなあこがれるべき女性です。
正しいと思ったこと、言いたいことを恐れずにきっぱり言う強い女性。

今回特にこの本で3点ほど印象に残りました。

一つは、イジメの見解。
イジメというのは減らすことは出来たとしても消し去ることなど出来ないとする話の展開には、子を持つ親のひとりとして、目からうろこでした。(ぜひ子育て中の片には本書を読んでもらいたい一説がそこにあります。)

 文部大臣への自殺予告手紙に「死なないでください」と返答したやりとりの茶番劇に、「死ぬなら勝手に死んだらどうなの?」と言ってやればんだというような考えに苦笑いしながらも至極納得しました。人生は戦い。子供には自覚が要る。・・・本当ですねぇ。貧窮の僻地でも生き抜けられる強さと逞しさが子育てには必要なんじゃないかと考えさせられました。


 また李登輝氏の靖国参拝での文中で、筆者はキリスト教徒であっても、ご一緒に靖国に参拝され、参拝しても個人の宗教を改宗した覚えは無し、というようなお考えには頭が下がりました。

 実は私個人の義理の姉が他宗教にはまり、実の弟の葬儀であっても線香も上げなければ、盆も彼岸もない、礼を欠く不快を様々与えてまで自分の宗教(エホバ)の我を通している様に親戚中が憤慨していましたが、そのもやもやした答えが見つかったような気がします。

 曽野さんは、キリスト教徒であっても、相手がイスラム教であればその礼儀に従うという人間の大きさと強さと自信がまさに曽野さんなんだと改めて仰ぎ見る気持ちになりました。
 凡人の杓子定規な生き方とは本当に違う。了見の大きさが分かります。

 
そして、この本題になっている貧困の僻地では金がなければ、力もなく、生きていけないという様々な実例を具体的に読むことで、やらせや作り事の無い真実のドキュメンタリーに胸を打たれる気持ちになれました。

みなさんの心にもなにがが残って、なにか変われる、そして強くなれる一冊になることと思います。
帯の宣伝が内容と合ってない ★★★★☆
断っておきますがこの本は格差社会の批判本ではありません。
帯をみるかぎりそのように感じられますが・・
著者のブログを読んでいる。そう感じられる内容です
ブログと捉えると過酷な現実をぼかしているのも、社会に対する批判色が希薄なのも納得できます。
実際のアフリカのシスター達は「金の無い人間から死んでいく」と現実を客観的に見ているようですから、ありのままの現実を素直に見るわけでもなく著者というクッションをおいて読者は世の中の動きを考えるのが正しいのかと思います。
詳細なデータ、現実を切り取ったような写真が豊富にあると本を読んで暗くなるだけですから

帯の宣伝文句が許せないので星四つとしました。
それは曽野綾子の考え ★★☆☆☆
何を以って貧困。
これは難しいものがあります。

曽野さんの他の本がけっこう好きで読んでますが、
この本だけはどうにも共感できません。

正しい、正しくないではなく
曽野さんの”貧困”に対する感覚、考え、見地なのでしょう。