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これで古典がよくわかる (ちくま文庫)

価格: ¥714
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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「まぐわう」の語源は、「目合う」 ★★★★★
見事な本です。このような本は若いときにあれば、もう少し効率的な時間の使い方ができたのかもしれません。もっとも歴史に拘束されたその非効率性の形こそが、人間の生き様なのでしょうけど。漢字の導入、かな、カタカナの発生から話は語られます。公式文書と物語、そして話し言葉(おしゃべり)の取り入れによる和漢混淆文の誕生への経緯がわかりやすく語られます。そして方丈記(漢字とカタカナ)から徒然草(漢字とかな)へと。徒然草第19段の部分のからくりの解説、そして後鳥羽上皇の「万葉ぶり」の悠然さ、実朝の「万葉ぶり」の背後に潜むもう一つの実朝の解明などは見事な分析です。また明治時代に起きた「東京での関西文化の再評価」とその問題性は面白い視点です。そして最後がまたいい。「むずかしい和歌の意味がわからないのではない」むしろ「きれいということに鈍感なんです」。そう、古典の註がどうこうというより、体と目と感覚をきちんと働かせろということなんですね。著者の古典の現代語訳作品を読む前の一読を進めます。
よくわかる、ための橋渡し ★★★★★
まず、なぜ「古典は分かりにくいのか(正確には、分かりやすいものと分かりにくいものがあるか)」から入り、「分からないものは分からない」ことを認めましょう、というのが潔い。

細かい意味や知識ではなく、その時代の人々も「現代人」であり、古典とはすなわち話し言葉なのだから、体で覚え、馴れ親しむことが大切だという結論に納得させられる。
源実朝が実は「都会に憧れるオタク青年」だった、後鳥羽上皇は世にも珍しい文武両道の貴族だった、徒然草の一部は兼好法師が青年のときに書かれていた?などなど、古典の世界がより魅力的になることうけあい。

「古典がよくわかる」というのは「スラスラ訳せる」ということではなく、文字どおり「古典ってこういうものなんだ」ということである。
古典に触れないのはもったいない、そう思える一冊。
惜しむらくは、室町〜江戸時代の部分も載せて欲しかった ★★★★★
枕草子をはじめ古典の現代語訳で有名な著者が、古典がよくわかるよう指南した解説書。
本書がユニークなのは、和漢混淆文の発生論を論じた上で昔の日本人が日本語とどう取り組んだかを考察し、古典をめぐる文学史をビビッドにさせている点。
受験勉強向けの古典にどっぷり浸ってしまった中高生にも読んで欲しい一冊です。
紙面の都合でカットされちゃったそうですが、室町〜江戸時代の部分も是非読んでみたいですね。
高校生と「古典」を分かりたいと思う大人に。 ★★★★★
「受験生用の分かりやすい文学史」を目指していたとあります。
やっぱり!
途中から、これで文学史の歴史が頭に入った、メモしておこうと思っていました。
今ひとつ頭の中に残っていなかった、源氏物語、徒然草といった古典文学の
流れが一つの意味をもってあまたに残ります。

また、高校生のころ、「古典」について何となく思っていたことが
書かれていて、これもまた、
やっぱり!
と納得しました。

そのまま読む、ということです。
慣れだ、そうすればいずれ量が質に転換し、ある日、分かるようになる、
ということ。

素晴らしい本です。高校生のときに読みたかった。
これで古典が楽しめる ★★★★★
日本の書き言葉である「漢字かな混じり文」がどのようにして生まれてきたのかを判りやすく説明しつつ、古典はかしこまらずに、作者を生の人間としてとらえて、「へーそうなんだ」とか「そうそうそうなのよね」とか感心しながらどんどん読むものだ、ということを教えてくれる本。とても本質的なことを面白く学ぶことができる、すばらしい本。とにかく「源氏物語とか古典を読んでにみよう」という気にさせてくれる。ただし、作者も言っているとおり、この本を読んだからといって、古典を読む技術が身に着くわけではない、古典をよむための「感覚」と「意気込み」を与えてくれる本である。