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NHK-DVD ヤノマミ~奥アマゾン 原初の森に生きる~[劇場版]

価格: ¥3,990
カテゴリ: DVD
ブランド: コロムビアミュージックエンタテインメント
Amazon.co.jpで確認
1〜3日以内の発送(土日祝除く) 在庫:多 種別:DVD 国分拓 解説:アマゾンの最深部に1万年以上、独自の文化・風習を守り続けている“ヤマノミ族”。欧米人に最後の石器人と呼ばれているヤマノミ族は、現在、2万人。40〜200人で一つの集団をを作っており、その中の一つ、ワトリキ(風の地)と呼ばれる集落に、150日間の長期同居取材を敢行したドキュメンタリー。 販売元:日本コロムビア JAN:4988001335504 発売日:2010/08/04 登録日:2010/05/18 邦画ドキュメンタリー
謙虚な取材姿勢が光るドキュメンタリーフィルム ★★★★★
アマゾンの奥地で原始時代そのままの生活をする先住民ヤノマミ族を、のべ150日間の共同生活を通じて取材したドキュメンタリー。昨年のNHKスペシャルで観て衝撃を受けたが、このたびテレビでは放送できないシーンも収録したこの劇場版を視聴する機会に恵まれた。

本作の中心となるのは嬰児殺しの習慣の丹念な取材である。精霊信仰を背景に、実に新生児の半数以上が母親の選択で殺され、嬰児の遺体を白蟻に食べさせることで、自然のもとへの帰される。妊娠をした一人の少女を追うことで、この習慣の全体をつまびらかにしていく。現代でもこのような習慣に基づいて生きる人がいることに衝撃を覚える。

他にも、野生動物の解体現場、裸で共同生活を送る日常の描写など、見る者に衝撃を与える映像は多い。ただ本作は、取材対象であるヤノマミからは一定の距離を置き(取材者、撮影者ともに画面に登場しない)彼らの生活を理想化するでもなく、批判的に捉えるでもなく、ありのままに映像化することで、見る者の判断にゆだねる、というスタンスを貫いている。凡百の映像作品のように、無理にお友達になったり心の交流が生まれたり、というお仕着せの感動は切り捨てている。このことが、彼らの独自性や世界の多元的価値、ということを考えさせ、きわめて優れた取材映像として本作を成らしめていると思う。
優れたドキュメンタリーの条件は、見る人それぞれに考えることをおこさせるというものだと思うからだ。

DVDの特典映像で監督が語った取材のスタンスが興味深い。ヤノマミはもともと他民族を人間以下のものとして見下しているが、さらに取材班が高齢だったことで、いわば人畜無害の空気のような存在として集落にいられたことが、結果として様々な映像を撮ることの成功に繋がった、と。心の交流はあまりなかったと話しているのも面白い。この謙虚な取材スタンスが、本作という傑作を生み出したのだと実感させられる。
自己反省の学としての文化人類学という視点が欠けている ★★★★☆
映像資料としてはとても貴重だと思います。TVの基準で言うと、残酷な映像も収められているので、注意してください。
しかし、最後のナレーションが「原初の森に生きる人間」としてまったくぼくらとちがう人々にヤノマミを神秘化しようとしているように思いました。

このドキュメンタリーのプロットのひとつとして、出産されたこどもを精霊として天に還す(と称して間引きをする)のか、それとも人間として育てるのかという選択権は母親にのみ与えられ、社会はそれに干渉しないというルールが適用される例として、非婚で妊娠した14歳の少女による選択・決断の例がたどられます。もちろん、日本では警察にみつかれば、逮捕されるでしょうし、妊娠は両性の行為の結果なので、間引きに関しては男性も悪いのです。育児は社会全体の責任という観念がないのも悪いでしょう。でも、将来の日本でも、14歳の少女でも、人間関係が希薄化し、社会的善悪からの制裁を受けることもなく、勝手に妊娠し、勝手に間引き(、育児放棄)する性の自己決定権、個人主義、自由放任主義、そして産後間もない親子からとばっちりをうけないためにそれらを放置する事なかれ主義が共同体の安定のために必須の装置として通用してしまうでしょう。間引きの理由が、現代の日本では「遊びたかったから」ではなく、ヤノマミの社会では「天に還せば、死後再会できるから」だからといって、根本的には同じ厄介払いだと思います。
森の中に生きようが、生きまいが、人間はめんどくさがり屋で、自分勝手な理屈を考える文明にして野蛮をもつことに変わりはない、とぼくは思いました。

近代以前の文化人類学が野蛮人を対象化してその逆に自己を文明人と規定するところにその目的があったとすれば、現代の文化人類学は、文明社会の外部にある異文化を見ながら、同時に自分の文明と野蛮とを映し出して確認するところに目的があると思います。
ヤノマミと日本人との同一性を探る視点を取るか、それとも差異を探る視点を取るかという立場のちがいについて言うと、後者の視点のほうからまとめられているので、文化人類学としては古さを感じました。
なぜこんなに心を引かれるのか? ★★★★★
最初に「ヤノマミ」に出会ったのは、NHKの地上波で放送されたときだった。
たまたまザッピング中に、木にシロアリの巣が吊るされ、雨に濡れている映像が映り(最後の場面だ)、それがなんだか分からないまま、とにかく心がザワついた。
ずっと心に引っかかっていたのだが、これまたたまたま録画していた友人にDVD-Rを借りて見たところ、そこに衝撃的な事実が描かれていた。生まれた子どもを人間として迎えるのか、精霊として森へ返す(殺す)のか、産んだ母親自身が決めなければならない。
わが子を可愛がるのは教育や文化ではなく、人間の本能としてDNAにプログラムされていると思い込んでいた私は、無理やり目を覚まさせられるような気分になった。
人間とはいったいなんなのか?
そんな重い気分にさせながらも、「ヤノマミ」が心に残って離れなくなった。
再放送があればまた見てしまい、映画館での特別上映にも足を運び、DVDも購入した。
なんで、こんなに「ヤノマミ」に心引かれてしまうのだろう?
最初は「子殺し」の衝撃に引っかかっていたのだが、そのうちヤノマミの子どもたちのいきいきとした瞳や笑顔により心が引かれていることに気が付いた。
この作品の監督である国分拓の書いた本「ヤノマミ」を読むと、「子殺し」の現場を見て以降、子どもたちを撮影することに傾倒していったことが書かれていた。
生と死が隣り合わせの世界では、生きることがより輝きを増していくのだろう。
この作品は、ただ特殊な民族を追ったものではなく、人間の生を見事に映し出したドキュメンタリーだと思う。

「ヤノマミ」の本しか読んでいない人はこのDVDを見るべきだし、DVD(番組)しか見ていない人は本も読んでほしい。より「ヤノマミ」に興味が湧くはずだ。

因みに監督の国分拓は、沢木耕太郎著「イルカと墜落」にも登場し、文庫本のあとがきに素晴らしい文章を寄せているので興味のある方はご一読をお勧めする。
現代社会に一石を投じる作品。 ★★★★★
降りしきる雨の中、女性達が川で黙々と魚を獲るラストシーンが非常に印象的です。
「生きるとはこういうこと」そんな無言のメッセージが聞こえた気がしました。

残酷なシーンも多いですが、ヤノマミにとってそれは日常の風景であり、決して特別なものではないのだと思います。
生きるために自らの手で生き物の命を奪い、捌き、感謝し、そして食らう。
その過程がごっそり抜け落ちてしまっている現代社会に生きる我々にとってはどのシーンも重く考えさせられます。
この辺りは「いのちの食べかた」という作品でも感じたところであり、目を背けずにしっかり見届けなければと思いました。

生と死の狭間に身を起き、常に命と向き合っているヤノマミ。
作品中で最も大きな衝撃を受けるのが、冒頭でも映し出される赤ん坊を蟻塚に葬るシーンです。
人間として育てるか、精霊として天に還すかは母親だけが決めなければならない。
たとえそれが14歳の少女であっても…。

現在ヤノマミはブラジルとベネズエラによって保護されているようですが、本当の意味での保護を考えた場合、ナイフや衣服と言った文明社会の産物を支給するのはどうなのかなと言う疑問が頭をよぎったのも事実です。
この作品の集落でも短パンやサンダルなどを身につけている人がいて、しかも馴染んでいる事に驚きました。
そう言う部分では太古から続く100%純粋なヤノマミとは言えないのかも知れません。
しかし、ヤノマミとしての本質は変わらず、まさに現代に生きるヤノマミの姿そのものだと思います。
また、そういう背景がなければ今回のような長期に渡る取材は不可能だったと思われますし、十分に貴重な映像ではないでしょうか。

色々な思いが渦巻く作品ですが、世界には今でもこのような原始的な営みを守っている人達もいて、私達と同じ時代の同じ地球で生きているという事を知るだけでも意味があると私は感じました。
観る者の心に一石を投じるだけの価値がある、素晴らしい作品だと思います。

尚、このDVDには本編の他に特典映像として監督インタビューが入っていますが、これも含めて一つの作品だと思います。
本編で感じた疑問や撮影時の背景などが語られているので、こちらを先に観るのもいいかも知れません。
2008年のヤノマミ族と精霊のかかわりを淡々と描く ★★☆☆☆
普段プラネットアース等の自然番組や歴史ドキュメンタリー等をよく見るのでこの商品をチョイスし
通常の自然ドキュメンタリー的なものかと思い予備知識無しで見たのですが何が何やらでした。
といいますのも作中にて”ヤノマミ族とは何か・どういった歴史があるのか”がほぼ全く語られないからです。
予備知識のある無しで評価が大きく違ってしまう1本かと思います。
※狩り・性生活・精霊信仰におけるあれこれと言った事の説明はあります。
興味がある、ヤノマミ族をよく知らない方はwikipedia等を見てからのほうが良いでしょう。

また商品説明に『アマゾンの奥地で1万年以上に渡り独自の文化と風習を守り続ける「ヤノマミ族」』
とありますが、実際はブラジルとベネズエラの保護を受けており短パンやナイフが普通に出てきます。
その辺の説明も無いのでwikipediaを見るまではやらせかと思い戸惑いました。

その他難点を挙げますと…
・ナレーションがボソボソした声なので聞き取りづらい。
・字幕の字が小さく斜体であり読みにくい。25インチテレビにて視聴、他の番組の字幕は見えます
・スプラッタシーンが多く一般家庭で流すには刺激が強いがそういった注意書きが無い。

歴史を知らないと物事の理解はしづらいものですしこの作品だけではドキュメンタリーとして
やや厳しいと言わざるを得ません。せめて「どういった部族で過去に外部とどういう接触があり
現在はこうなっている」という短い説明でも入っていれば印象は変わったと思います。
予備知識があり大型テレビをお持ちでスプラッタシーンへの耐性がある方は☆3〜4、
該当しない方は☆1〜2と言ったところでしょうか。

なお、「150日間同居」とありますが”のべ150日間”であり、途中時間が飛んでいる箇所もあります。