1週間前後の発送 種別:DVD 北川景子 中西健二 解説:時代劇小説家、藤沢周平の郷里である庄内地方をモデルに製作。「山桜」に続き海坂藩を題材とした短編小説を集めた「海坂藩大全」から映画化された。自由恋愛など許されない江戸時代に自らの運命に抗うことなく受け入れるも、内に秘めるたる想いを遂げようとする「慎ましくも正しく生きる」まっすぐな女性が描かれる。以淡く繊細な恋物語と登の凛とした姿から「心の美」と「義」が滲み出る作品。主人公・以登には初の時代劇出演となる「ハンサム★スーツ」の北川景子。以登の許婚役には甲本雅裕、以登の初恋の相手に宮尾俊太郎を起用。監督は2008年に「青い鳥」で監督デビューを果たした新鋭中西健二が務める。 販売元:バンダイビジュアル JAN:4934569636058 発売日:2010/09/24 登録日:2010/06/11 邦画ドラマ全般
他の女優さんだったらとどうしても考えてしまいます。
★★★☆☆
おためごかし無しで言いますが、やはり主役は時代劇に出るには演技が稚拙に感じました。殺陣も強豪の男侍より強い女剣士にはどうしても見えません。小学生の剣道少年でも楽々勝ちそうです。見終わったあと、他の女優さんだったらとどうしても考えてしまいます。救いだったのはホンワカホノボノとした婿役の甲本雅裕さんの演技です。一番強いのは彼でしたね。美しい映像と音楽が素晴らしいです。
ジャイロストレートな市井ものに心がいざようばかり
★★★★☆
海坂の風景の挿し込みや、当時の上流階層の所作が再現されていて、
(少しハラハラしながらも)気持ちよくその世界に入れます。
110分はあっという間で、よい時間を過ごさせてもらいました。
殺陣の否定をされているレビュアーの方もいますが、
私は、映画としての殺陣の完成度は高いと見ました。
青江又八郎や、牧文四郎を演じている訳ではないので、
殺陣単独の技術的完成度を見せる必要もなく、
心情表現としての殺陣とモンタージュの融合が、
高いレベルで成功しているよい例だと思います。
殺陣シーンだけでなく、全般的なつくり込みでも同様で、
行間をじっくりみせつつ、観客の心象を前提にストーリーを提示しています。
この手法で、作品として美しく成り立っているのは、
中西健二監督の役者・スタッフへの信用と手腕があったからではないでしょうか。
一点難を挙げれば、場面展開の要所で出てくる
柄本明と國村隼の囲碁を打つ二人語りのシーン。
名優を信頼しすぎたのか、高い要求を無難に演じ過ぎてしまったのか、
他カットとのバランスが崩れていたように感じました。
(観客をミスディレクションさせないための必要な演出とは思いますが…)
藤沢周平ファンのみならず、
司馬ファンでも。池波ファンでも。
また、ピュアな恋愛遍歴をお持ちの方(笑)のみならず、
あらゆる世代に薦めることができる時代劇かなぁ。
胸を焦がして
★★★★★
藤沢作品のすばらしいところは人物たちの心象が心に沁みるところだと思います。
映画「花のあと」も、以登のただの一度剣を交えた相手江口孫四郎への秘めた気持ち、胸を焦がしている自分がいることに気がつく。ただ一度の手合わせで以登が感じたものは、紛れもなく初めての恋とかなわぬ想い。
夫になった、才助も以登の想いをわかり彼女を手助けする。凡庸な人物ならけしてそうはすまいと思う。だからこそ、その心象が沁みるのだ。
花のあと (文春文庫)
凛と美しい
★★★★☆
海坂藩の要職に就く寺井家の一人娘・以登(北川景子)が主人公
彼女は幼い頃から、剣のてほどきを受けてきた
城内の花見の折、藩でも指折りとも言われている若手剣士・江口孫四郎と出会い、試合の約束をする
後日、約束通り二人は試合をする
その際、孫四郎は相手が女だからと侮ることをしなかった
もう一人の重要人物、以登の許婚・片桐才助(甲本雅裕)
彼は話が約1/3程度進んだところでようやく登場します
彼の登場シーンは、なかなか良かった
以登が部屋に入ると、大飯を喰らっている
甲本氏の飄々とした演技が良い
江口孫四郎は仕事上の失態により、自害を果す
彼の死に怪しさを覚えた以登は片桐の協力を得て、藩の重鎮・藤井勘解由(市川亀治郎)の陰謀を突き止める
そして、以登は藤井勘解由との決闘を決意する
市川亀治郎の悪者顔も感心してしまう演技であった
また、以登はうら若き女性で、まだ少女の凛とした雰囲気を残している
その少女独特の潔癖さ(+初恋?)から、2度しか顔を合したことしかない孫四郎の為に、命を懸けた私闘を決意する様は、現代の感性からしたら異様かも!?
現代からみたら、武士道の(精神)世界はもはやファンタジーにも見える
もはや、現代ではありえない世界なので、より美しく見える
北川景子の凛とした佇まいが印象的
★★★★★
「真夏のオリオン」もそうであったが、洋装和装を問わず凛とした佇まいと目力(めぢから)の強さが印象的な北川景子嬢。最後の剣戟も迫力十分で、その結末のカタルシスも胸に迫るものがあった。藤沢周平作品の映像化でも最上の部類ではなかろうか。