出身地の沖縄にこだわり、沖縄を題材にした作品を撮り続ける中江祐司監督の長編映画第2作。ストーリーは、東京から帰ってきた孫娘(西田尚美)と祖母ナビィ(平良とみ)との交流。また、ナビィのもとにかつての恋人が60年ぶりにブラジルから迎えに帰ってきたことによって巻き起こされる出来事を二重写しに、生きることと死ぬこと、人を愛することと信じることの意味を、美しい沖縄の風土のなかで大らかにうたいあげている。
特筆すべきは、ナビィの夫を演じる沖縄民謡界の大物、登川誠仁。蛇皮線にのせたひょうひょうとした歌声で、ナビィの駆け落ちをやさしく見守る彼の存在が、この映画のスケールを一段と大きくしている。また、音楽のすばらしさも忘れてはならないだろう。(堤 昌司)
おじいに萌える
★★★★★
ユタ(占い)や家族の反対で引き裂かれたナビィとサンラー。
その一部始終を見ていた恵達少年。
年上の綺麗なお姉さんであるナビィを好きで、その後結婚することになって幸せで。
でも60年経ってサンラーが戻ってくる。
おじいがとにかくかわいくて切ない。
70過ぎて妻に駆け落ちされた日にゃあ・・・
でも当のおじいは老人の悲哀を少しも匂わせず、ただ少年のように「綺麗なお姉さん、やっと恋が叶って、行っちゃったんだなあ・・・」
と受け止める。
ナビィの駆け落ちの是非はあまり重要じゃないのだと思う。
沖縄の人の強さが、「この生き物はこういうもの」「この花はこういうもの」「この人はこういう人」、それが臭かったり崩れていてもありのまま受け止めて矯めない、そういう文化から来ているのであれば、ナビィもしたいようにするしかない。
この映画のキモは、おじい!
こころのリセットに。
★★★★★
おじぃ〜!と何度も言ってしまう。
おじぃに泣かされる。
おじぃが好きになる。
ゆる〜り流れる時間と、美しい自然と、
沖縄の空気と、こころに響く音楽と、
おじぃのあたたかさ、愛の深さに、
涙が止まりませんでした。
うまく言葉にできないけれど、
なにかが心の琴線にふれて、
ただただ涙がながれるのです。
心が洗われるって、
こういうことなんだろうな〜
そう感じた映画です。
素のココロを取り戻せます。
何度も何度も、
今夜もみています。
沖縄離島のロードムービー
★★★★★
なかなか観るチャンスが無かったこの作品。ようやく観れた。感想は「HAPPY!」
誰かを長年恨んだり、憎んだり、そんな「深く黒い心」は沖縄離島にはそぐわないのだろう。
登場人物は、皆、あっけらかんとしており、恋する心も、諦める心もストレートだ。
音楽がいい。沖縄の三味線で聴くクラシックあり、「ここでバイオリン??」だったり、監督が「ミュージカルを目指した」というのもうなづける。
「後悔」や「人のために諦める」という事は、決して何者も幸せにしないのだろう。まずは、自分が幸せになり、そして、純粋に人の幸せも祈る、それが周りも幸せにする。そんな事を考えさせた。
人間らしく
★★★★☆
80近いおばぁナビィの初恋。
60年前の恋心を忘れることができない
ナビィとおじい恵達。
燃えるような恋と静かな愛情。
沖縄の空と海の青さ。
ブーゲンビリアのあざやかな色合いに
人情味あふれたサンシンの音色が響く。
この映画で私が感じたもの。
それは人間らしく生きることのすばらしさ。
でした。 ^^
恵達の味わい深さ
★★★★★
情熱に胸が熱くなる物語。
どこから始ったのか分からない沖縄ブームだが(NHK?)、音楽の素晴らしさと空気の熱さ、登場人物の得体の知れなさでピカイチの沖縄Movieでしょう。
ボテボテに太った体にガニ股のナビィ(平良とみ)が初恋の人サンラーを忘れられないところまでは、よくある昔の恋の物語なのだが、本当に駆け落ちしてしまうところ、そのお出かけがまたアッサリしたところがまさに沖縄って感じ、ってそれが沖縄なのか?知らないんだけどさ。
出色は、ナビィの夫恵達(登川誠仁)。「ランチはツエロブサーティーに持ってきてくれよ」とか言い残して、アメリカ国歌を爪弾きながら牛の餌やりに出勤だ。味わい深すぎる。
初めて映画に出た音楽家のように見えたが、やはりそうなのだった。音楽やる人が演技すると何とも軽やかでボーっとしてて好感が持てるのはなんででしょうね。
で、この恵達が、ナビィとサンラーが島を出るときに、途方もなく素晴らしい演技をする。いや演技してないのかもしれなけど。ともかくガンガンに愛情が伝わって来て、またもや滂沱の涙となりました。
若者たち(西田尚美&村上淳)が狂言回しで登場するが、濃い〜地元民の中で浮きまくり。西田尚美って好きだけど、あれほど周りが濃いならもっと薄い人の方がよかったかもよ。村上淳も今のCMのせいもあってどーも軽薄そうに見えるしな。誠実そーな・・・・つっても吉岡秀隆じゃ映画が重くなるし(--;) ま、いいのかコレで。