少なくとも二度見ると視点が変わっておもしろいと思います。
★★★★☆
先が読めるストーリーだと思いますし、誰がもう一人のジュンかというのは、すぐに予想がつきますが(というか商品自体を見ればわかる)、私はこういうテイストの作品は好きです。
中村優一と桐谷美玲のメインキャストも良かったですが、私的には早川希美の妹、由紀と、潤の友人、加藤の存在が結構効いていたと思いました。
加藤の「ジュンって本当にいたのかな?潤を立ち直らせるために現れた幽霊なんじゃないか?」といった言葉、ある意味本質を突いていて印象に残る言葉でした。
この言葉のように「父親から認められたいがための競泳」の挫折から立ち直り「子供たちに教える水泳」への脱却をします。何故水泳教室で子供たちに教えることに意義を見出すのかは後半に明らかになります。
私は劇場公開時は全くこの作品を知らなかったですし、この作品を見ることになったのはある意味偶然ですが、良い作品だと思うので、機会があれば見て欲しい作品です。
一つ☆が減なのは、中盤あたり二人のジュンのケータイメールで連続してのやりとりがあるのですが、画面の切り替えが早くメールを読み切れないうちに
次々とメールのやりとりが行われてしまったということ、また関連してどっちがどっちのジュンだかわからなくなってしまい、巻き戻したりもう一度視聴したというところからですが、
この作品の重要なアイテムであるケータイメールのスピードについていけないというのは、私の年齢的なことなどこちら側の原因によることでしょうから、同級生世代は大丈夫でしょう。
私はメールのやりとりを確認するために、二度目の視聴をしましたが、もう一人のジュンの存在を意識して、再度視聴してみるのもおもしろいと思います。
このときもう一人のジュンはどんな気持ちでこのメールを打ったのだろうかとか、深く考えてみるというのも二度目以降の視聴方法として有りだと思います。
面と向かっては言えないことが、メールでは言える。そういうこと結構ありますし。
もちろん逆に文字にすることで、印象がきつくなり相手を傷つけるということも現実世界ではありますが・・・
そして、二度視聴して分かったことですが、タイトルの「同級生」も潤と病気で一年留年して同級生となったという単なるクラスメートの意味ではないようです。
3月10日に誕生日を迎えたジュンが来年の誕生日までの1年間、年齢を重ねることのなくなってしまったもう一人のジュンと同い年という意味もあるようにとれました。
また、この作品とリンク(と制作側は言っているようですが、私はパラレルワールドだと思います)している「体育館ベイビー」の方は、私的にはちょっとダメなテーマでした。
こちらも複数回見れば、良さや秘められているメッセージもわかってくるのでしょうが、ちょっと・・・