司馬遼太郎氏の小説は二十年前に数冊読んだきりですが、同じように、この小説家らしさというものが生かされていないままだという気がします。
宮崎駿氏のアニメーションも好きでよく見ています。しかし、堀田と司馬という、全くタイプの違う著者をまとめての座談会の司会者としては、適役でしょうか。
それぞれの教養の形成や思い、というものに興味のある方は、他の代表作を読んで下さい。お手軽にまとまるようなスケールの作家ではありません。加藤周一氏が、ヨーロッパの知識人は、ありもしない本についてさえ読んだふりの会話を続けることができると言っていましたが、この本は、買うより、そうやって読んだふりをした方がいいと思います。