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虹の鳥

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 影書房
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暴力の意味するもの ★★★★☆
 各所に残酷な暴力シーンが出てくる。ひとつ疑問におもったのは、この非情な暴力の元締めである主人公の兄貴分が、その暴力の源がどこからくるのか、ここではその背景として父親がヤクザの親分ということしか触れていない。その設定が安易ではないかという気がする。しかし、全体の衝撃力は大きい。これがどのような人たちにどういう読まれ方をされているのか、興味をそそられる問題作だ。
地を這うように ★★★★★
日本のマジック リアリズムの体現者とよく言われる
目取真 俊であるが、この小説はそんな甘いマジック幻想
を超えてしまっていると思った。繰り返される肉体的、
性的暴力の前に読者は始め戸惑うだろう。その拡大再生産される
暴力が臨海地点に達した時、それは<無力>に昇華してしまったように
思った。被害者が加害者に、加害者が被害者になる混沌とした展開は沖縄が抱える基地問題は言うまでもなく、アメリカの
イラク占領においてもあてはまるのではないだろうか。何か暗示的なリアリスティックな物語であった。
また私たちはあの夜の森へのハイウェイは日本本土までにも繋がっていることを忘れては
いけないと思った。
深く、暗い、痛みと怒り。 ★★★★★
目取真 俊(めどるま しゅん)さんの新作。
初めての長編。

沖縄の作家として、
戦後生まれの考える沖縄を書き続けている。

とにかく胸糞が悪くなるくらいの描写。
なぜ、そこまで、
と思ってしまうくらい。
しかし、そこに彼の怒りが込められている。
ヤマトンチュー(大和人)にはもちろん、
ウチナンチュー(沖縄人)に対しての、
止めようのない怒りがある。

主人公のカヅヤは、
なし崩し的に不良グループに入れられ、
落ちていく。
その彼の気持ち、
わかる。
その人間の弱さをえぐる描写は、
正直、
読み難い。

怒りをもって書く。
おそらく傷つきながら。
そんな彼の初の長編。
一気に読んでしまうというか、
一気に読まざるをえない。
痛みをともなう読書。 ★★★★★
すさまじいまでの暴力描写。
米軍基地と「沖縄」を隔てる金網のフェンスが印象に残る。1995年に、米兵による少女暴行という事件が起こった。これに対して八万人以上の沖縄の人々が集まって抗議をした。小説では、この実際に起こった事件が取り込まれている。「必要なのは、もっと醜いものだと思った。少女を暴行した三名の米兵たちの醜さに釣り合うような。」という主人公の思いは、激しく悲痛である。
主人公カツヤを取り巻く絶望的なまでの生活は、圧倒的悪である比嘉に原因を求めるだけではすまない。そもそも沖縄には米軍基地という「暴力」があって、その状況がこの小説の若者たちの生きる状況と重なっている。悪や暴力に対する抗議だけでは何も変わらない。暴力には暴力をもってして、悪には悪をして行動するしかないのか。そこに希望はあるのか。
重く暗い小説ではあるが、小説でしか書けないことがある。

沖縄の闇がよく現れていると思う ★★★☆☆
雑誌の書評を見て手に取りました。沖縄のギラギラした暑さを感じさせるような小説です。
沖縄は、就職難で基地に依存した経済であるということは、旅行者の
知識として知っていますが、その中で生きる人がどういう生活をしているのかまでは
深く考えたことはありませんでした。

美しく見えるリゾートアイランドに一見見えますが、こういうダークな世界も実際は
あってもおかしくないと思いました。「不夜城」が好きな方にはお勧めだと思います。
今後は沖縄を舞台とした、もっと掘り下げた闇を描いてもらえることを希望します。