作られた戦後
★☆☆☆☆
戦後、沖縄には多数の左翼が流れ込み、情報捜査されて歴史はねじ曲げられました。沖縄本土からの沢山の移民が戦死し、サイパンやグアムでは今も神社で戦死した民間人達が祀れています。彼らは、自分の意志で闘って、残った人達によって今も祀られています。それはどういうことなのか、その意味を日本人なら考えて、正しい歴史認識を持つべきです。
おわらない戦後
★★★★★
一気に読みました。
書き手の情熱が、
そのままぶつけられた本。
情熱と言うよりは、怒りだろうけど。
今年で“戦後61年”となりますが、
はたしてこの“戦後”とは
どういうものだったでしょうか。
日本でいわれる“戦後”とは、
もちろん第二次世界大戦のことを言うのですが、
世界的に見れば、
その後も数多くの戦争が起こっています。
その中には、日本が無関係とはいえないものも多い。
朝鮮戦争やベトナム戦争は、
当然ながら日本から米軍が派遣されているし、
最近では、
アフガニスタンやイラクには自衛隊を派兵しています。
“戦後”の歴史は、
戦争で埋められてるとも言えるのではないでしょうか。
沖縄を通して世界を見る
★★★★★
本書の主題は沖縄である。しかし、単に沖縄の特殊な事情を解説した本ではない。ここにはすべてが詰まっていると言っても過言ではない。沖縄戦、基地問題、それを取り巻くポスト・コロニアルな状況、戦争責任と歴史修正主義、戦時性暴力、<癒しの島>という表象に見られるオリエンタリズムなどなど。問題の複合的で有機的な全体像を俯瞰する良書。
「沖縄が好きです」とかほざくんなら、観光ガイドとか癒し本なんか一冊も読まなくていいから、これ読んどけよ、と。一人の県出身者として思う。
誰のための本か
★★★★★
沖縄戦の現実を伝えるだけの本ではない。
沖縄に「戦後」は来なかった。そして本土が六十年の「戦後」平和を謳歌する中、基地は沖縄にとって現実に存在し続け、朝鮮、ベトナム、アフガン、そしてイラクに兵員を供給し続けた。そして沖縄人自身も、米軍に協力するという形で戦争協力し続けてきたのだ。それはこの六十年間、沖縄に一手に基地を押し付けてきた大和人の責任でもある・・
そして著者の怒りは、基地存続に手を貸し続けてきた沖縄人同胞にも向かい、そして沖縄に平和は来なかった、沖縄に「戦後」はなかった、という現実を見ようともしない、単なるエスニック・テイスト、いや、もっとはっきり言えばコロニアリズムの対象として沖縄を愛でる若者や知識人にも向かう。
一見すべての味方を拒絶しているように見える著者のまなざしは、いったい誰を見ているのだろうか。少なくとも、大和人を弾劾してやまない本書は、小泉自民党政権に空前の大勝を与えてしまったひとびとには受け入れがたいだろう。この本を受け入れたひとびとにとっては、すべきことは、沖縄にラブコールを送ることでも、沖縄支援の市民運動をすることでもなく、票の力によって、日本の安全保障を犠牲にすることなく、日本全土からの米軍撤退を実現する策を本気で考えてくれる政党に勝利を与えることなのだが。