本書は、これらの科目のエッセンスを取り出し、機械の強度設計業務の実践的な手引書として纏めてあります。良書だと思います。
このような内容なので、学校の卒業後にメーカーなどに就職し機械設計をする人は、卒業後の出来るだけ早い時期に、読んでおくと良いと思います。
設計への橋渡し、設計作業はシンセシスそのものであり、本書は分析的にのみでなく総合的な知識を目指している。まさしくバランスの取れた強度設計の手引書である。
強度設計の基礎として疲労破壊の微視的メカニズム、フラクトグラフィーを含んでいるし、強度設計のノウハウとしてのモデル化、強度設計の観点からの締結・接合・接着などのロードパスや電子はんだ接合部強度にも言及している。
現場の製品改良や新設計、事故解析時に要求される総合的な知識を、材料力学や弾性論、破断面を走査型電子顕微鏡での写真解析(フラクトグラフィー)技術などの駆使し有機的に説明を進めている。もちろん各章各節で参考文献が付されているので突っ込んだ検討も可能だ。
惜しむらくは、第3章のディジタル強度設計に関してはディジタル疲労設計と言う特色はあるが如何せんのボリュームがもの足りない。
ミスプリ
p.16 応大応力→最大応力
p.47 半径R(上付き2)の球→半径R(下付き2)の球
p.155 本頁のtanθは全て→sinθ
p.161 図4.46→図4.46(b)
p.164 図4.51の中とキャプションのI(下付きf)→ℓ(下付きf)
p.167 引張強度 kg/mm^2→kgf/mm^2
p.181 図4.85 σ→δ
p.197 応力拡大計数→応力拡大係数
ⅵ 理工学研究科終了→理工学研究科修了