ダークできらびやか
★★★★★
アルバムを重ねるごとにクオリティが増している、葉月ゆら嬢の歌声と曲群。
今回は詩もメロディも濃密で、一聴して大好きになりました!
また、今までのアルバムでは時折「詩もメロディもいいのだけど、音が薄いなぁ…」と嘆息することがありましたが、『少女標本』は生音の使用が増え、そんな憂いは激減しました。
これからも進化し続けるゆら嬢の音楽に期待です!
それぞれの曲に対しての個人的な感想を述べます。
「少女標本」はイントロが神がかっています。ゴシックなのにジャスっぽさも漂わせる曲です。
「聖域」はハードでカッコいいアップテンポな曲です。
「柩」ではゴスゴス世界観に魅了されます。パイプオルガンのイントロの後にエレキギターや英語の歌詞が…豪華過ぎます。
「砂の城」はサビでの化けっぷりが素敵です。文学的なラブソングです。
「Dark side conclave」はややアレンジが加えられ、聴きやすくなりました。
「迷宮」。歌詞は黒いのに、メロディは真っ白です。お伽噺のモチーフに溢れてます。
「月のワルツ」はいわずと知れた名曲ですね。歌声がとてもマッチしています。
「白い風」。真っ白なボーナストラック。タイトル通りの雰囲気とモチーフ。
Gothicromanceな世界観の楽曲が好きな方には、とても美味しい内容のアルバムだと思います。
ただ、今回はコンセプトアルバムのようなもの(だと私は思っている)なので、初めて葉月ゆらを聴く方、ゴシック風楽曲に興味が無い方は、同じような雰囲気の曲ばかりで飽きてしまうかもしれません。
レベルが高いというのも、インディーズ歌手としてのという意味です。ゴシック風といっても、海外のゴスメタアーティストを愛聴している方には、このアルバムはコンセプトが分かりやすいだけに世界観が物足りなく感じるのではと思います。
ご参考までに。