入門というよりは
★★★☆☆
群論入門という事ですが、入門というより、要約。
確かに簡潔に述べられ、例も挙げてありますが、初めて群論を学ぶ人には、この本だけでは、ちょっとしんどいと思います。
私のような者には、群論「超入門編」があったら有難い。
物性の人には最高
★★★★★
固体物理をある程度やっていると「摂動」「バンド図」といった概念が出てきますが、”なぜ”縮退が解けてエネルギー準位が分裂するのかサッパリ分かりませんでした。この本はそうした問題に群論を適用して具体的に理解させてくれます。何よりありがたいのはポイントが的確に絞られていて、煩雑な証明等に振り回されずに本質に近づける点です。物性用に「群論」の本を何冊も買いましたが、他の本では「要は何が言いたいんだ?」という疑問が常にありました。この本は、そういうのを頭からズバり答えてくれます。
分かり易い
★★★★★
群論は難しいですが、本書は実際に群論が物性においてどのように使われているのか図を多用して分かりやすく解説しています。数ある群論の参考書のなかでも理解し易い方だと思います。物理(自然)における対称性は一つの美であると本書を読んでいて感じます。群論の魅力を伝えてくれる良書だと思います。数学専攻の方には向いていませんが。