群論の説明は最低限に抑えてあるため、数学的詳細や物理への多様な応用についてより詳しく知りたい人は他書を参照する必要があるだろう。
しかしながら、群論を実際に使って問題を解くための必要最小限の内容はきちんと解説されている。
この最小限の群論の知識を用いて、配位子場理論、分子振動、バンド理論などが丁寧に解説されている。
記述はわかりやすく、明快である。もちろん、実際の研究に応用するにはより進んだ本を読む必要があるだろうが、「物質の対称性」と「物質の性質」の関係を理解するにあたって、群論がどのように威力を発揮するのかをつかむことができる。
この本をしっかりと読んだ後に、各自が必要とすることを補っていけばいいだろう。

この本は点群･空間群や個々の対象操作など、物質の対称性について、基礎から出発し、
それが化学や物質科学へと如何に応用されているかを明快かつ丁寧に記しています。
例題や図も充実しており、基礎からきっちりと学びたい人にうってつけです。
International Tablesをいきなり読むのはちょっと……という
結晶学･空間群を学び始めた方にも大きな助けとなるでしょう。

物質の構造を調べることに携わってる方には、同じ著者の「物質からの回折と結像」もおすすめです。
こちらも、回折現象について基礎から実用的なレベルまで丁寧に記してあります。

群論は多くの学生が涙するジャンルの一つですが、その解説書としては秀逸だと思います。

ただし、群論そのものの解説は、丁寧ではあるものの全くの初学者には少し難しいと思います。とりあえず物理化学の本あたりで群論を軽くさわり、IRやRaman活性を調べることのできる便利な概念があるんだなぁ、と知ってから読めばいいと思います。

化学系に必要な応用も事例と共に載っていますので、困ったときのために手元に一冊置いて損はない本です。

様々な使い方が出来るとてもよく出来た本である。物性や化学系の人用に書かれた本としては一番丁寧だと思われる。他書が合わなかった人は一度手にとってほしい。レイアウト的にも見易い。本書は三部構成となっている。第一部、対称性と結晶学ではブラベー格子、点郡、空間郡をやる。ここが本書の見せ場で他書と違い図が非常に豊富である。第二部、群論と量子力学では題にある二つの他に球対称場での原子状態をやる。群論に一章しか割いていないのでこの本で群論を｢初める｣のは少しキツイ。第三部、物質の対称性とその応用では配位子場理論、分子軌道法、分子振動、バンド理論、テンソルを扱う。研究に必要なものとそうでないものがあると思うので研究分野に合わせてみると良い。付録も充実しておりページをコピーして切り抜き工作するものもある。キーワード:ステレオ図、シェーンフリース表記(←こういうを知りたいのなら本書が良い)、図:適切かつ豊富、演習:適時あり、解答:有り。

I wish I was in his lecture. We need to see how to draw a figure in his lecture, he would use his hands to explain.
In short, I didn't understand Part 1 (空間群, 群論入門) of this book. It's difficult to understand the group theory and crystallography which are 3-D in general from a paper, 2-D. I also wish figures (there are many figures in this book) are in color although black and white and gray colors are used. However, Chapter 1 to 4 is written in clearer fashion than other books. I like it.

It was good for me to read Chapter 5 (量子力学の復習), Chapter 6 (球対称場における原子の状態) and 10 (バンド理論). It’s much better than Kittel’s book. It’s up to your need, whether you read the rest of this book. This book will give you something very important and useful.