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東京窓景

価格: ¥3,045
カテゴリ: 大型本
ブランド: 河出書房新社
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切り取られた「私だけの東京」が詰まっている ★★★★☆
「窓から見える風景」が貴重と感じられるのは、
都市部の方が顕著な気がする。
田舎の自然の風景は、外に出て五感で感じられるが
窓から見える風景は、決して窓の外には無いからだ。

そういう意味で、額縁の中の東京は、
切り取られた「私だけの東京」である。
この写真集にはそんな東京が詰まっている。

ちなみに「部屋に○○がある」と聞いて、
相手の部屋に遊びに行ってみたくなるモノは何だろうか?
というアンケートでは、首都圏では
「部屋の窓から東京タワーが見える」がトップらしい。
びっくりばこ ★★★★☆
企画として非常によく考えられているし、それを実行して作品にまとめた力量には素直に脱帽したい。こうしてみると、東京の風景は夜店の幻灯機に照らされた空想世界のようにも見えてくるのだから、なんとも不思議な街なのだと思う。
窓からの眺め ★★★★☆
戸外から自由に風景を切り取るのではなく、一度窓によって切り取られた「窓景」という制限を写真家が自らに課すことによって、面白い風景が立ち上がってくるという好例。確か「風景」とは列車の窓からの眺めを起源に持つのではなかったろうか。
景色を眺める自分という存在を心に感じながら頁を繰る写真集 ★★★★☆
 仕事の関係で他社を訪問すると、最初に案内されるのは小さな会議室や応接室というのが一般的です。通されたその部屋で面会相手がやって来るのを待つわずかな時間、私は窓の向こうに広がる東京の風景を飽かず眺めることがたびたびです。特に高層ビル内にある企業を訪問したときは、自分のオフィスからの見慣れた景色とは一味違う、その社屋のその階からしか眺めることのできない唯一絶対の風景に出会えます。そのことがなんだかひどく得した気分で嬉しかったりします。

 冷房(あるいは暖房)が効いた静かな部屋の内側に身を置き、窓を通した向こう側に眺める活気溢れる東京の街。人間の平均的な受容度を遥かに越えるスピードや変化がそこに溢れかえっていることも珍しくありません。その性急な流れからほんの少し距離を置いて、突き放した気持ちで街を眺めている自分。いわく言い難い不均衡の中にいるわが身を感じて心にさざなみが立ちます。

 この写真集はそんな体験を想い起こさせる一冊でした。

 窓枠とその向こうに広がる景色は、額縁と絵画の関係にあるのでしょう。絵画鑑賞の際に額縁はほとんど意識の埒外にあるものですが、この写真集に掲載された作品群では、窓枠とその手前側に広がる空間、つまり自分が身を置いている場所にも否が応でも心が向く仕掛けになっています。
 変化に富む東京の街並みの手前に、その変わり身のはやさを歯牙にもかけずマイペースで歩む静空間。
 そして景色を眺めている自分が確かにそこにいることを強く感じます。奇妙に心が引っ掻かれました。

「窓」を通して都市・東京のリアルを切り取る ★★★★☆
 人っ子ひとりいない東京の情景に執拗にこだわった「TOKYO NOBODY」は、人を排除することで“都市・東京”を対象化する試みだったと思う。「東京窓景」も都市・東京の対象化という企てに変わりはないが、都市が“窓”を通して日常とつながっていることを、改めて問いかけてくる写真集だ。
 普通に東京で暮らしている人々ほど、都市・東京の存在、変化に無自覚である。表紙カバーを飾る某ビール会社の通称ウンコビルや、一瞬マンハッタンかと見紛うお台場海浜公園の自由の女神像も、こうして写真で切り取られれば強烈な違和感を持つが、窓越しに見慣れている住人にとっては日常の一風景でしかないだろう。都市・東京の存在としての異物感や急激な変化に対し、われわれはあまりにも愚鈍なのかもしれない。
 フォトショップがあれば人を消すことも、窓枠にあり得ない光景をコラージュすることも簡単に出来る時代だ。だからこそ、「TOKYO NOBODY」や「東京窓景」はリアルにこだわっている。都市・東京の存在、変化は決してバーチャルなものではないのだ。