永遠の大スター、スティーブ・マックイーン主演の名作『華麗なる賭け』を、現在の007として知られるピアース・ブロスナン主演でリメイクしたロマンティック・サスペンス・アクション大作。ニューヨークの美術館からモネの絵が盗まれ、犯人はすぐ逮捕されたが、絵の行方はいまだわからない。保険会社調査員のキャサリン(レネ・ルッソ)はモネの愛好家である大実業家トーマス・クラウンに目をつけ、彼に接近していくのだが…。
ブロスナンのスマートな個性と、現代ならではのゴージャス感とダイナミズムで「リメイクに良作なし」のジンクスを打ち破った、ジョン・マクティアナン監督久々の快作。オリジナル版のヒロイン、フェイ・ダナウェイが特別出演という礼儀のわきまえ方も、ファンにはうれしい。ピアノを基調としたビル・コンティの音楽も実に粋である。(的田也寸志)