快作!!
★★★★★
アニメ'ガンバの冒険'を彷彿とさせる意欲作☆
自然と文明の狭間で人間以上の危機に晒されながらも、必死に新しい住処を探し求めるネズミ達。
人間のエゴにも負けず自分らしく生きようとする彼らの凜とした姿勢やユーモアには、思わず心が和む。
人間と動物、文明と自然…彼らの様な生命も共に守るには、これらの課題はこれからも必ず付いて回るだろう。
だが、これを読んだ後それらの義務が自然と必然とさえ思えるのは、この本がそれほどに魅力的だからだろう。
アニメを見て
★☆☆☆☆
アニメを見て思ったことはかなり出来すぎな気がした。三匹のネズミが住居を目指して旅するんですよね、三匹とも辿り着くには無理がある。うまくいったとしても一匹くらいかな。あえて二匹は犠牲になって死んでしまいチッチだけが生き残った方が物語としても自然の残酷さや親子の愛情が出てくるんじゃないかな。
ユーモアたっぷり
★★★★☆
NHKで放送されたのが気に入り、ネットでの評価が高いので購入しました。
読む価値は十分にあります。家族思いなタータと無邪気なチッチ、冷静なお父さん、クールなグレンに、どこか優しい猫のブルーなどなど……。
登場人物はみんなユーモアがあふれていています。
それに思わずじーんとなったり、笑ってしまうようなシーンもあって、子供ならず大人まで楽しめるような内容になっております。
また「川の光を求めて」というテーマもしっかりとしているのも、魅力の一つです。
ただ、もう少し物語に深みがあってもいいのではないかと思います。ですから星四個にしました。
アニメVS原作
★★★★☆
NHKのエコ何とかの特集で、この小説がアニメ化された。
新聞掲載時、途中からだったが、最後まで読んでいた。一時間ちょっとじゃ、限界があるなと案の定、物足りない気と、違和感もあったので、小説を通読。
川に住んでいたネズミの一家が、人間による工事で住処を追われ、新天地を求めて、旅をする。一種のロードムービーのような寓話だ。
最近、「成長するために」、「成長した」などと猫も杓子も軽々しく使うため、すっかり手垢のついた「成長」という言葉だが、もともと弱者であり、子供なのでさらに立場の弱い子ネズミの成長譚が、この物語の骨子だ。
やたらめったら窮地に追い込まれ、ハラハラとしながら、新聞を読んでた。
チャングムの誓い、と似てた。主人公はいつも困難に直面し、その回が終わるのだ。(余談だが、チャングムのラスト近くは落ち着きすぎてツマンナかったと思いません?)
原作から入ったせいか、成長譚としてアニメの脚本は物足りなかった。親子がバラバラになるエピソードがほとんど割愛されたのが大きい。一番キャラが立っていて、どう描かれるか楽しみだったモグラの未亡人がでなかったのや、ドブネズミ軍団に捕まり、あとで反乱軍と脱出するのも、「川の光を求めて」のグレンの言葉を印象づける所なのでアニメではなかったのが惜しい。
もっとも脚本のオリジナルで、ネコのブルーの飼い主が染物をやっていて、体を染めようとするチッチとブルーの会話は良かった。背景の絵、雪の降ってくるシーンなどは非常に精緻で、日本アニメの力を感じた。
アニメを見て、原作を読んだら二度感動できるのでは。
作者は全共闘世代だから、ドブネズミ反乱軍は見果てぬ夢なのかしらん。
都会の川の冒険物語
★★★★☆
川のほとりに暮す三匹のネズミが、川の環境の変化で巣穴を追い立てられ、新天地を求めて川を遡っていく物語。都会のどこにでもある川の流れを言葉で丁寧に表現しているところなど、川の大切さ、素晴らしさを写真や専門情報・技術以外のアプローチで感じたい人に是非おすすめの一冊。