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大道を行く高校数学 (代数・幾何編)

価格: ¥3,045
カテゴリ: 単行本
ブランド: 現代数学社
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最高の構成 ★★★★★
本シリーズについては解析編にて説明してあります。

本書は代数と幾何についての参考書です。

しかし、幾何と聞くと中学校の時にやったパズル的な図形事態を書きどこが相似で合同かを探すようなものを考える人は多いのではないでしょうか?

残念なことに現在の高校では中学校からくるそのパズル的な「初等幾何」と呼ばれるまさしく初等(幼稚的)な幾何が浸透してきています。

この本が書かれた時代はまだそのような幼稚な幾何は無く、また日本の最も数学が輝いていた時代の人間が書いた本ですから幼稚なものは一切ありません。

また、幼稚に思われる最初にある量の概念について書かれた部分があります。しかし、高校生に量とは何かと聞いてみてまともな答えを出せる人はそうはいないでしょう。つまりとても根本的でもっとも重要な数学の概念の根底にある部分です。

現在ではより一層その根底は深く探求され「数学基礎論」という分野になっています。しかし、ここではあくまで高校までの領域の説明をしているのにかなり高級な数学基礎論を持ち出すわけはなく、基盤としては不足のない初等概念を持ってきています。

しかし、幾何についての初頭幾何はあまりに原始的で現代人としてはあまりに不足する概念(頭の体操にはなるかもしれない)です。

現代人に求められているのは具体性よりも一般性です。

幾何でもそうです。初頭幾何ではある与えられた問題にしか答えを導き出せず、同じ考え方をたのものに再利用することが困難で、より多くの具体的な知識が必要になってくるからです。

何故代数と幾何が同じ本にまとめられているかというのは代数は抽象的(一般的)に数を表現する方法です。

この便利な性質を今まで具体例一つ一つにしか答えられなかった幾何に利用できないかと考え現代人は代数的な幾何(代数幾何)を作り出したのです。

幾何に発見された代数の性質により代数の法則によってより多くの幾何の問題を解けるようになりました。

そのような道筋が本書によりきっと理解できると思います。

線形代数という大学の分野(図形と方程式、ベクトル、行列のより一層深い分野)について高校数学に役立つ概念を説明されています。

また初等幾何における公式についても代数的、線形代数的に解説されており、他の本とは一線を画した構成になっています。大変理解しやすくまた信頼のおける一冊となっています。

数学が自然を扱う対象である以上より自然に歩み寄らなくてはいけません。

しかし、それを理解するのはですから一環とした説明がなされなければなりません。

本書では人間が自然科学という形で世界を理解する上でとても重要な概念を一環として並べられ、またそれを理解しやすい形に配置した構成になってあり、高校数学において本書を含めるこのシリーズに勝る本は世界を探しても見つからないでしょう。

この本が日本語の本であることに日本人はもっと感謝しなければと感じさせてくれる本です。