名古屋が舞台の一つなので
★★★★★
新潮文庫の100冊に選ばれていたので初めて手に取りました。
名古屋が舞台の一つなので、どういう描写があるかが気になりました。
3世代のそれぞれの生き方について記述している主題については、それぞれの考え方があるのだろうと推測しています。
ちょっと物足りない・・
★★★☆☆
どんな素敵な恋を語るのかと、すごく期待して読んだけど、娘二人の恋愛も半端だし、祖母・母の恋愛も さらっと流す程度しか登場しない。全体的に深く掘り下げた展開はなかった気がする。盛り込みすぎて散漫の印象です。テレビドラマ見てるみたいな気がして、物足りませんでした。恋愛小説とするより、単に血の繋がらない人の寄せ集めの家族小説と思います。
3世代の恋と仕事
★★★★☆
血の繋がりはないけれど強い絆から家族となった4人の女達。
祖母、母、二人の娘の恋、仕事、結婚を娘達のエピソードを軸に描いていきます。
娘達の未熟さも、母の大人だからできる割り切り方も、祖母の覚悟も
すべてに同性として共感できました。
唯川さんってコテコテの恋愛小説を書く人ってイメージがあったけど、
今作は随分深いところまで描いていたと思います。
恋愛小説というよりは「女の人生論」。
そのせいか甘いだけの恋愛小説よりずっと良かった!
深みのある作家になったのですね。
この本のお母さんやおばあちゃんみたいないい女になりたい!
全ての女性に爽快な元気と希望を与えてくれる本です。
潔い女たち。
★★★★★
祖母、母、二人の娘、血はつながっていないけれど、固く結びついた家族。彼女たちの恋と人生。若い二人の恋には、これから進化していく過程が見える中、母と祖母の恋愛には「結婚」という形にこだわらない、しかし真摯なものを強く感じました。70の誕生日に結婚式を挙げる祖母の姿に、女性としてこんな人生を歩みたいと思いました。
娘の一人、雪緒の不倫相手が「家族のことは何より大切だとおもっている。けれどそこは身も蓋もない場所でもある。現実的なことで毎日が満ちている。心の中にある柔らかくて繊細な部分がどんどん失われていくような気になるんだ。」その言葉に、世のご主人はみんなこうなのかも知れない、いえ、妻だって、、と妙に納得してしまいました。
それにしても、唯川氏の文章は読みやすく、2時間ほどで読破いたしました。
デビュー20年を経て進化を続ける女流作家
★★★★★
血のつながらない祖母、母、二人の姉妹という4人の女たちの人生を描いた作品です。本作は二人の姉妹を軸にしながら彼女達の恋や仕事を丁寧に描いています。そして中盤以降はそれらが意外なところで繋がり、結びついて行きます。またラストに繋がっていくストーリー展開は見事で、読後感も凄く良かったです。他にも、気の利いた、うまい表現があちこちでサラリと書かれていて、このことにも驚かされました。
最近は、お気に入りだった作家さんの作風が急に変わって自分好みではなくなったり、きらめくようなデビュー作を出したにもかかわらず、その後の作品は輝きを失ってしまったように感じられる作家さんを見かけて残念に思っていました。そんな中で、デビュー20年を経て、作品を出すごとに輝きを増していく唯川さんは本当に凄いと思います。