著者は自ら述べるように年収700万円の普通のサラリーマンであるが、仕事をやめても生活に困らないように経済的自立をめざし、ハッピーリタイアメントを強く願っていた。当初、マイホームの一戸建てをローンで購入するが、マイホームは資産ではなく負債であることに気づく。そんな時期に著者は田舎暮らしの実現を契機に、負債であったマイホームを賃貸することで資産に変えることに成功した。その後、多少の失敗を経ながらも、ローンをうまく活用して、最終的には時価2億円、ローン1億円の6つの不動産から月額純家賃収入80万円を得るまで資産を増やした。
本書は、なによりも普通のサラリーマンが自らの体験を生々しくまとめているところに現実味があり実践的な内容になっている。ただし、その過程はバブル時代に不動産の共同担保でローンを組み、次々と不動産を増やしていく方法であり、この方法が最終的に著者が望むハッピーリタイアメントになるのかは、まだ回答がでていない状況といえよう。(木村昭二)