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生きるかなしみ (ちくま文庫)

価格: ¥609
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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心に留めておきたい! ★★★★★
山田太一さんのすべての作品が大好きなのですが、さすが彼が選んだ作品群のどれからも心の奥底に”どしん”と響くものばかりです。つらいことも悲しい事もあちこちにあるけれど、読む人を上級の人間に引き上げてくれる作品が網羅されています。
断念のネガティブを超えるポジティブ ★★★★☆
山田さんが集めた「生きるかなしみ」に直面して、なお目を逸らさずにいられる強さと受け入れる覚悟を表していると思われる作品集です。



中でもやはりこのアンソロジーを集める山田 太一さんの主旨を説明する「断念するということ」が、忘れやすいけれども見落とすことの出来ない、「言葉」として単語で表すとどうしようもなく貧弱なものであったとしても、「文章」で表すことで上手く伝えられ、その為のアンソロジーであることを理解できるようになっていて良かったです。どんな方であったとしても気付かされるなんらかの瞬間があって、その瞬間へと自身の記憶の忘れかけていた「何か」を思い出させたり、思い出せなくても何かの思い出の余波のようなものを感じさせてくれる(それがこのアンソロジーに収められたシュチエーションから関係のないエピソードであったとしても!)、そんな短編集です。


ネガティブなものを突き抜けてこそのポジティブに興味のある方にオススメ致します。
とにかく生きていきたくなる ★★★★★
 「かなしみ」には種類がありそれぞれの「生きる」根底となっていると、本書を読み深く思わずにはいられなかった。
 読みやすい文庫本形式ではあるが圧巻の「かなしみ」に出会ってしまった。

柳田國男の『山の人生』では短い文章ではあるものの計り知れない事実の悲しさに息を飲んだ。永井荷風の『「断腸亭日記」から』では在住の岡山の地名が随所に出てきて現代から言えばやや古典的文体ではあったものの立体感がつかめて意外な感もあった。その結末にはもっと意外なかなしみが現れた。

 他にラングストン・ヒューズの『大目に見られて』では肌が黒い人たちの社会と、家族との間のはかなく漂うごとくの決定的なかなしみを知った。
 高史明の『失われた私の朝鮮を求めて』は又、大きな時代の所!硊??、慟哭の哀しさに出会い、人の生きる根源、悲しみの感情に到る負の感情の混沌に圧倒された。

 水上勉の『親子の絆についての断想』では作者の子供時代、親となってからの絆について実直に語られ、感動的なシーンにも出会うことが出来た。

 他に山田太一の『断念すること』、時実新子の『私のアンドレ』なども良く、現代を生き、迷い、かなしみ、思考が立ち止まってしまう私には本短編集「生きるかなしみ」を読めたことは幸運でした。「かなしみ」を生きるこやしにする、生命の深い奥底でともし火のごとくにするにはまだまだ人間として造詣も浅い自分だが、読後は静かにでもとにかく生きていきたくなる気にさせてくれる本書でした。