コンピュータと戯れるのが楽しかった、あの時代に振り返りさせてくれる良著
★★★★★
本著刊行以降、LinuxなどのフリーUNIXが登場し、PCや、冷蔵庫、携帯電話、はたまた巨大な銀行のシステムにいたるまで、UNIXは広範に利用され、もはや、我々の生活には無くてはならないものとなった。そして今もなおUNIXは進化しつづけている。
WindowsやMacintoshに追いつけ追い越せと、UNIXは飛躍的な進化を遂げた。そして我々はその恩恵を存分に享受している。しかし、それと同時に本著に示されているようなUNIX本来の良さ…シンプルであること、10%-90%の法則、アングラな世界…が失われつつあるのも事実だ。
私たちは、目先の便利さと引き換えに、あれこれ苦悶しながら、いじり、戯れる、コンピュータ本来の楽しさを失ってしまった。
そういう意味でも、私たちをコンピュータと戯れるのが楽しかった、あの時代に振り返りさせてくれる。
UNIX世界の雰囲気を伝える良書
★★★☆☆
UNIXの歴史・文化・技術について、豊富な蘊蓄を傾けて解説したファン・ブック。UNIX世界の裏話・噂の真相・関連書籍の解題から、UNIX人名辞典まであり、データブックとしての側面もある。記述はユーモアに満ちており、楽しませる作りになっている。とくに関連書籍の解題は、対象読者・実用性・永続性・読みやすさの4点をベンチマークふうチャート付きで評価している。そこには本書じしん(Liffe with UNIX)の書評まである(!)。
第1章の「UNIXの歴史」は、その通史を、要点を押さえて簡潔かつ平易にまとめている。『UNIXの1/4世紀』の舌足らずさ、晦渋さを補うのに格好の参考書だ。
Unix歴史書
★★★★☆
Unixの起こりと初期の発展について書いた、歴史書とも言うべき一冊。
今となっては古い内容が多いが、初期のUnix Worldについて知るには最高の参考書だろう。