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フレンチ・パラドックス

価格: ¥1,350
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 文藝春秋
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元官僚による巨大官僚組織へのオマージュ ★★★★☆
最近は高福祉、高税負担の北欧礼賛が些か食傷気味で、メディアもあまり取り上げなくなってきた。代わりに驚異の出生率回復を果たしたフランスが脚光を浴びつつある。元大蔵官僚の著者が、エリート官僚主導の巨大な中央集権機能を持つフランス型政府を志向するのはある意味あたり前のことだ。しかし残念ながらわが国では北欧型社民主義もフランス型中央集権政府も機能しない。日本人は政府を信頼していない。それは、日本では国家と個人の関係が断絶しているからだ。例えばフランスでは、たとえ移民であろうとも共和国の構成者であるということが幼いころから教育される。これは兵役中も叩き込まれる。(1990年代半ばまでフランスには兵役の義務があった。)役所や公的機関に行くとフランス革命の標語であるliberte・egalite・fraterniteの文字が掲げられている。フランス人は個人主義でありながらフランス共和国という共同体を強く意識している。翻って日本人は戦後民主主義教育の影響で国家を単なる枠組み位にしか考えていない。深刻な少子高齢化という国難を個人の問題としてとらえる観点が欠如している。したがって著者のいうところのフレンチ・パラドックスを成功させる土台がわが国にはない。本書は実現性のある政策の提言というよりは元官僚による巨大官僚組織へのオマージュとしてとらえた方が良さそうだ。
フランスの公務員の給料は日本と違って安い ★★★☆☆
大きな政府のフランスのいいところばかりを書いていますが、もちろん実際はそんなことはないです。フランスといえば個人主義の国。日本とは正反対の国民性です。 それと、フランスの公務員の給料が安いことには全く触れられていません。 日本の公務員みたいに、巨大労組のおかげで退職金を何千万円を受け取るなんてことはありません。 官僚出身が書いた公務員礼賛書です。
これまでの官僚による中途半端な社会主義を見直す ★★★★☆
 アングロサクソンの拝金主義を目指すのではなく、日本国内の
二極分化を避けるためにはどうあるべきか、見本としてフランスの
やり方を提案・説明されています。
 国力が人口に比例するのであるのなら、やはり少子化対策は
喫緊の課題ですが、今の民主党のやり方はまだ手ぬるい、と
いうかグランドデザインを示さず、行き当たりばったりに思えます。
自民でも民主でもみんなでも、どこでもいいですが、今後日本を
どうするのか、【具体的】に示して欲しいものです。
 国債発行については、今の日本国債の引き受けてが殆ど国内なので
増発しても問題ないとの指摘は、私には新鮮でした。
 ただ、英語を「公用語」に、と言う考えには賛成しかねますが。

「小さな政府」か「大きな政府」か、日本はどちらを目指すのか、
一読の価値アリ。
反中ネトウヨはアカンと感じた ★★★★★
もう私達アジアの時代…その関係を磐石にし、モノ作りに固執し過ぎる事なく、むしろ世界一となった製造業を基に新しい産業へと構造を変えるべきと感じた…こんな事言うとネトウヨに叩かれるけど好き嫌いで言ってるんじゃない、私達の生活に直に関わってくる問題だ。私自身中国人の友達が何人かいるけど皆、私達と変わらない。良い関係を築き日本自身も変われると確信してるだけにこの本には賛成です。(しかしフレンチとはねぇ…新しい?)
ひとつの考え方としておもしろい ★★★★★
小泉・竹中の新自由主義が、どうも言われていたほど良いものではない、とわかってきました。少なくとも、日本にはふさわしくないやり方みたいだ、というのは、現在、かなりの賛同を得るでしょう。

では、何なら良いのか?

それに対するひとつの答えが、この本です。

結論から言えば、フランスのような大きな政府をめざせ、ということです。
それを、さまざまの面から実証しようとしています。

まず、読んでおもしろい、ということが言えます。
できるだけ平易に、わかりやすく説明しようとしている、ということがわかります。

その上で、はたして、この考え方で良いのか、ということを考えてみる必要があります。
なんとなく、うそ臭い、というのが私個人の感想です。
根拠を示せなくて申し訳ないのですが、とにかく、なんとなく、です。

小泉・竹中にしろ、この榊原にしろ、眼中にあるのは、大軍の進行方向だけです。
その大軍が、右へ動くにしろ、左へ動くにしろ、その大軍の下に踏み潰されてうめく一般市民のことなど、たぶん視野にないだろうなあ、という疑いを持っています。

しかし、そうは言っても、新自由主義よりはよほどましなことを書いているようではあるので、ぜひ一度読んでみてほしいです。