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ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)

価格: ¥713
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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苦しみにおしつぶされそうになったら、ベートーヴェンの魂に触れて慰められよう ★★★★★
この本を読んでいる間のほとんど、私は何の音楽もかけてはいなかった。
だが、もしベートーヴェンに親しんでいる人が彼の音楽を聴きながら本書を読むとしたら、しばしば読むのを中断しなければならないほどの感動に襲われるかも知れない。

ロマン・ロランの文章は、神を賛美するような情熱と愛情に溢れていた。
それは予想を上回る情熱だったが、読み終えた今、もしそう書かれていなかったなら、胸を締め付けられるような感動を得ることは恐らくなかっただろう。

ベートーヴェンの生涯は想像しがたいほどの苦悩に満ちていた。
しかし、彼の魂は、その苦悩を生ける神としての芸術を創造するという歓喜へと至らせた。
そして、その芸術が彼のためではなく、人類への献身的なものだということが、ベートーヴェンを、昨日の、今日の、明日の悩める人類の友とならしめているのだ。
残酷な不運に負けず、むしろ才能を爆発させるエネルギーとせよ! ★★★☆☆
大きな不運を背負って、なお一層、活き活きと輝く人はベートーベンだけではない。そういうすばらしい人の生き様を描いた本も少なくない。その意味で、この作品が唯一の不朽の名作とは言いがたい。田園交響曲、英雄、運命、第九が好きな人には気持ちの良い本だと思う。
読み物としては◎、伝記としては△ ★★★☆☆
この本を通してベートーヴェンを見つめると、彼が非常に不幸でストイックであり、善を重んじて七転八起する頑強な人物のように感じられます。
確かに読者を感動させ、強い希望を沸かせてくれる作品です。

しかし、書かれた時代が古いこと、ロラン自身に感情に走っている節があること、ロランが出版にあたって訂正を加えなかったことなどから、ベートーヴェンが誠実に描かれているとは言えません。
例えば、ベートーヴェンが実際持っていたユーモアについての記述がないので、とても暗い印象を持ってしまいます。また、恋愛観についても最近の研究とは食い違っています。
よって、この本を読んで得た知識を鵜呑みにしたり、ベートーヴェンに対する印象をそのまま保持するべきではありません。
勿論、ベートーヴェンを知るためではなく、ただ激励されたいのならこの本があれば十分です。
でも、「できる限り真実を忠実に記してほしい」というベートーヴェンの願いを受け入れたいなら、他の本も多数参考にする方がよいと思います。
私たちのための勝利者 ★★★★☆
著者は、ベートーベンの全生涯のもくろみを「歓喜」としている。
ベートーベンは、ウィーンから良い生活が送れるように守られているわけでもなく、彼は長い期間貧しい生活をしていた。 そして耳に病気を抱え、音をうまく聞きとれないのに作曲活動を続けていたことはよく知られているが、耳だけでなく体のいたるところに病気を抱えていた。
恋愛においても、不運が付き纏い、想いを寄せていた相手と結婚ができなかった。そして「つんぼです」と言えないがために、彼は社交を避け、よりいっそう孤独に陥る。
これらの不運を見るだけでは、私たちがベートーベンから得られるものは少ない。 しかし、ここが重要な点だが、彼は「勝利者」であった。 彼はこれらの運命・悲哀に打ち勝ち、「歓喜」をつかんだ勝利者であった。
この過程をベートーベンは1つの金言により表している。
『悩みをつき抜けて歓喜に致れ!』
彼はなぜ「歓喜」をつかみたかったのか?なぜそのために曲を作ったのか?
それは、貧しい人の運命を改善するためである。 つまり、ベートーベンは我々のために勝利者となったのだ。 彼の不運を見ると私たちは苦しみや敗北などしか見出すことはできない。しかし、彼は勝利者となることで、それらの苦しみを浄化してくれたのだ。
歴史の選択に残れるか? ★★☆☆☆
この作品が執筆されていた頃はベートーヴェンのヨゼフィーネのへの熱烈な恋愛がしたためられた「十三通の恋文」がまだ、発見されていなかったので、ロランは不滅の恋人の相手をテレーゼにしているが、これは誤りだった。
ロランは偶然かどうかこの新発見のわずかばかりの後に死んでいる。

歴史は資料の発見などにより更新される運命にあるが、これはロランにとっては大きなショックだったといえる。

確かにロランのベートーヴェンへの敬愛が強過ぎたとは言える。
だが、ベートーヴェン研究に一鍬加えた作品である。