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アマリアの別荘

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青土社
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爽やかな読後感 ★★★★★
ひとりの女性の、けしてハッピーとは言えない半生を描いた小説なのに、こんなに読後感が爽やかなのは
どうしてだろう。

他者を愛する(夫を、子どもを、友人を、)という営み、そしてそれに”敗れた”(運命、相手の浮気、etc.の所為で)あとの女の姿を
著者は虚飾なく、赤裸々に描いている。

私は主人公の女の、自由奔放(直感的)でありながら、妥協せず自分に正直に生きようとする生き方に勇気づけられた。
自分に正直に生きるために、女は高い壁を乗り越えようとして、もがき苦しむ。おお、勇者よ。
因習や常識にとらわれずに、(それに足る勇気をもっているならば)自由に生きてよいのだ、と
思わされて、胸の奥のつかえがとれたような気がした。
このことは著者の意図したことではないでしょうが、私はその部分も評価して☆5つとしました。
苦痛に誘いをかける ★★★★☆
282頁
「出来事がその人にとっての試練となるとき、どんな慰めも慰めにはならない。アルコールも、麻薬も、コーヒーも、煙草も、合成薬剤も、睡眠薬も、助けにはならない。魂が苦痛のほうを向いてやらなければならないのは、いわば、魂が苦痛を真っ向から受け止め、魂の持つ時間と深い淵と悲嘆を与えてやる必要があるのだ。肉体の外に苦痛を引き出してやらなければならないのだ。それ自身以外のもので滋養をつけてやらなければならないのだ。苦痛に誘いをかけ、餌を投げ与え、人身御供でもするように何かを犠牲にしなければならないのだ。」苦痛に誘いをかけるとは、苦痛を客観視することだ。犠牲にするのは魂以外のもので、この餌で苦痛は大きくなり、肉体から抜かれる。餌とはモンテーニュの肌着のことだろう。魂は皮膚のことで、自分を餌(抵当)にしないことが肝要だ。