「競争力の低迷や倫理の乱れなど、困難な状況にある現代ならばこそ、同じく困難に直面していた先人達の考え方や行動に学ぶべきである。」これが本書のメッセージだ。

学ぶ先人として、西郷隆盛、大久保利通、島津斉彬はあまりにも偉大だが、彼らもまた先人や偉人に学び業績をあげたのだと思う。斉彬公の「西洋人も人なり、薩摩人も同じく人なり、ますます研究に励むべし」という言葉が印象深い。さらに、豊富な歴史的資料や参考文献を織り込むことで、先人達の考え方や行動が、より鮮明になっていると評価できる。

また、本書では薩摩土着の文化や教育制度も紹介されている。日経新聞の電子版において「地域活性化の鍵は、その地域特有の文化を発信することにある。」との論説が掲載されており、文化情報の発信による地域活性化という観点でも本書の発行は意義深い。つまり、本書の意義は薩摩限定ではなく、全国どの地域でも共通だと解釈できる。地道な地元研究が実を結ぶことを期待したい。

内容は中学生や高校生でも理解できる内容で、島津家８００年の歴史、つまり薩摩の歴史を学ぶ入門書として最適かと思います。
また、西郷・大久保・島津の子孫が１つの本の中で共著していることは、とても意義のあることかと思います。
読み終わって感じたことは、この本は歴史の本ではなく、日本の教育の原点を見つめなおすいいきっかけになる本だということでした。
後半の島津義秀氏のまとめは、考えさせられる内容でした。

西郷隆盛、大久保利通、島津斉彬ら薩摩の英傑の生涯と言葉の紹介、西郷、大久保の末裔、島津家の現当主の秘話。

そして、薩摩総合研究所「チェスト」理事長　島津　義秀の総括、京セラ名誉会長稲盛和夫の推薦序文、『バカボンド』『スラムダンク』著者井上雄彦の装画という豪華な本です。

幕末の薩摩を学ぶのにお薦めの本です。

明治維新の中心となった薩摩の英勲たちを知り学ぶことにより、私たちはこれから何をどのようにしなければならないかのヒントを掴むことができました。

閉塞感が漂う現在の日本。

本当にこのままで良いのか？

熱きメッセージを投げかけている本です。