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ハピネス (幻冬舎ルチル文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎コミックス
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気持ちいいハッピーエンド ★★★★☆
以前ノベルスとして出版されたものの改稿文庫化、ということですが、旧作を知らないので全く新作として読みました。
お話は『逆光源氏』とでも言うか、世話になった先輩の忘れ形見の少年を引き取った青年が、高校生に成長した少年に告白され恋人同士になっちゃう…それ迄のすったもんだ、すれ違いを切なく描いたもの。
お互いが相手を思い、想いをつのらせ、求めているのは自分だけじゃないのか?相手は優しさから自分に合わせてくれているだけじゃないのか?、と悶々とします。
肉親でもない、同年代の友人でもない、恋人同士でもない。微妙な、それでいて何より親密な関係。その不安定さがたまらなく良かった。
そして『自分が応えて相手が喜び、それがまた自分の幸せになる』という、まさに恋愛の醍醐味。幸せの二乗。たっぷり楽しませて頂きました。
別の新しい小説としても ★★★★☆
2001年発表作の全面大幅改稿作となっています。
手に取ったとき、その分厚さに驚きましたが、
加筆修正というよりも書き直しに近いほどの筆の入りようです。

恩人の忘れ形見の裕太を引き取り育てる流水と、
その流水への恋慕を隠して「いい子」を装う裕太。
「親子」から「恋人」へと、ぎこちなくも初々しく関係を
変化させていく様を印象的な描写で描いた好作だった旧書。
それを主軸に、最近の著者のリアリティさにこだわった表現が
かなり加わり、セリフのトーンも相当に変わったことで、
初々しく甘い旧作とは趣を変え、シリアスな恋愛ものとして、
結末を知りつつもドキドキしながら読み進めてしまったほど
新しい物語としても楽しめました。

どこかふわふわとした旧作のイメージから、
流水が恋情や嫉妬に子供のように翻弄される様や、
したたかに流水への想いを抱く裕太の内面を克明にすることで、
二人の必死なまでの想いにより惹き付けられるお話になったように
思います。

巻末に収録された同人誌の短編(ほのぼの後日談)もしっかり改稿され、
今回収録されなかったもう1つの短編の要素も組み込むなど、
かなりの徹底した全面改稿ぶりは、旧作を知っている人こそ
見ごたえありかと。

旧作を読んでいても楽しめて、一つの小説として面白かったのですが、
ここまで改稿がされてしまうと、お気に入りの箇所も駆逐されていて、
あのセリフが好きだったのに、あのシーンがよかったのに、と
猛烈に旧作を読み返したくなりました(笑)。
切ないです~☆ ★★★★★
出会った時から7年、育ての親(?)流水を想い続けてきた裕太。
自分の気持ちに自覚のないまま、想いをぶつけられて戸惑う流水。
お互いの気持ちを誤解しながらすれ違う二人…

繊細な心理描写の美しい作家さんなので、読んでいてきゅ~っと切なくさせられるシーンが沢山あります。
Hシーンの描写も詳細で濃厚、H度は高めだと思います。

三人称のきれいな文章が好きな方、お勧めです。