イメージに携わるもの必見
★★★★☆
John Bergerさんの訳本。テレビ番組をもとにして作られたテキストだけあって解りやすい。古典的な名画や広告などをケーススタディにしてモノの見方についてまとめられています広告やファッションに携わるものには参考になる一冊。
見ることの意味
★★★★☆
絵画や写真などのイメージに関する論考がこの本である。本文は結構難しいが、おおむね次のような内容を主張していると理解した。
・見ることは所有することである。たとえば、絵画を所有することは、その描かれた内容物を所有していることを意味したこと。
・イメージは、今ここにないものを呼び出す目的で描かれる。そしてそれを永続化させる。
・オリジナルは今ここにしか存在しない。したがってそれが存在している事に関する「礼拝性」と眺められことに重要性を見出す「展示性」の二面性があるが、礼拝性をより強く持つ。
・複製は、オリジナルが持つ展示性の価値を飛躍的に強めて、一方での礼拝性をなくしてしまったもの。オリジナルのサイズの感覚を同時に消失している。
などである。
その他、男と女の見る見られるの関係、広告の問題などが取り上げられて論じられている。
最後に、訳者である伊藤俊治氏の「見ることのトポロジー」と題した論文が70ページ近く掲載されている。前半のバージャーの主張を踏まえ、全体を伊藤氏の言葉で書き直した論文といえる。伊藤氏の論文を読むことにより、バージャーの主張がより分かりやすくなるという構造をとっている。
意外に
★★★★☆
人に進められて読んだのですが、視覚についていろいろな角度からリサーチしていてとても勉強になりました。
絵画技法や広告等、さまざまな状況で役立つと思います。
視覚に関する入門書
★★★★☆
John Bergerの『Ways of Seeing』を訳した本文は、テレビ番組をもとにして作られたテキストだけあって解りやすいです。その後についている論考方は本文よりも難しいです。古典的な名画や広告などの幅広い分野に目を向けて視線または見ることに関する考察をしています。視線や見ることを考えてみたいと思う人には良い入門書だと思います。この本を読む前に、ヴァルター・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術』を読んでおくとさらに理解が深まります。もちろんベンヤミンの本はこの本ほど解りやすくはありません。最後につけられた論考は現在のメディア状況を読み解くためのヒントになりそうだと思うのですが、この訳本が出てからメディアはさらに複雑になったと思われますので、再版の時にはさらなる書き足しがあると助かるかもと思いました。