主人公アフマドの家出後の回想が、真実なのか作り話なのかがわからなくなり、頭が混乱し、途中で読むのをやめたくなった。しかしこの物語を貫いているイスラムの雰囲気が私は好きだし､表現がとても美しいと思う。まずはさらっと感性で読んでモロッコのエキゾチックな世界を楽しみ､次に、小川のせせらぎのような言葉づかいや（興味がある人は）ジェンダー問題などを考察しつつじっくり読む、つまり２度読むと、この本をじっくり堪能することができるだろう。