重要なハイエク考察
★★★★★
本書は、ミルトン・フリードマン曰く、
「ハイエクの研究の最も包括的にして徹底的な考察」とのことです。
ハイエクの幅広く奥深い研究内容について、
マルクスをはじめとする社会主義経済学者、ケインズをはじめとする均衡主義経済学者などとの比較をしながら、
ハイエクの考察が、如何に現実を直視しているか、如何に人の特性を中心としているか、
について解説しています。
実際にビジネスの世界で活動している者として、また人と経済・社会との関係のあり方に興味のある者として、
ハイエクの考察は他の経済学者とは異なり、実用性の高いものだということが再認識できました。
ハイエクは日本(の経済学界?)ではあまり人気がないためか、
他の経済学者と比べると入手可能な書籍が少ないため、本書のような書籍でハイエクの思想・哲学を理解するしかないのですが、
そのような状況であるが故に、本書は価値ある1冊だと思います。
本書を読んで、ハイエク自身の著書に更に触れてみたいと思いました。